≪三節;城門の突破――それぞれの覚悟――≫

 

 

〔そして―――本格的な攻城戦の開始・・・

固く閉じた鋼の門を、突衝(とつしょう)という攻城兵器を用いて激しく攻め立てるパライソ軍。

 

それから、かれこれ五・六画の時間が過ぎようとしていた頃、ようやく何らかの変調の兆しが垣間見えてきたのです。〕

 

 

リ:あともう少しよ―――頑張って!

将:それ―――かかれえ〜〜!

 

ハ:依然として固く閉じたまま・・・このままでは消耗戦になってしまいますね。

リ:く・・・―――突衝隊! 休む間もなく攻め立てて・・・門を突き破って!!

 

 

ハ:―――おお! 正面大門は突破しました!今度は私たちの出番です!

リ:ええ―――!

 

 

〔攻城戦の初歩的手段にして、最大の難所であるともされる城門の突破―――は、ここに完遂されました。

 

けれども油断は禁物・・・城内各所においての戦闘で、一番に気をつけなければならないのは、

城内に設置されている、侵入者を排除するための 罠(トラップ) の存在・・・

 

しかし―――そこは、この国の出身者であるミルディンとギルダスの二人から、

どこにどう云った罠が仕掛けられているかを予(あらかじ)め聞いており、そこでは大した損害は出なかったのです。

 

 

そして―――・・・

ハルナ城・中庭にて、東部戦線ハルナ攻城戦最大の戦闘が、繰り広げられようとしていたのです―――・・・〕

 

 

リ:(! ・・・―――誰か・・・いる。)

  ・・・誰―――そこにいるの・・・

 

誰:・・・パライソ国征東将軍・リリア=クレシェント=メリアドール様―――ですね・・・。

リ:・・・そうだけど―――

 

誰:フ・フ―――これは、最期にして最良の相手に巡り合えた・・・と、云うものだ、なあ―――ヒヅメ・・・

ヒ:はい―――お養父さん。

 

 

〔この城塞を制圧するため、パートナーであるハミルトンと一時的に分かれたリリアは、この城にある中庭に差し掛かっていました。

 

するとそこで―――この場所にて、リリアを・・・いや、最期の仇花を咲かせるために、パライソの将軍を待ち構えていた人影が二つ―――存在していたのです。

しかも・・・その人影とは、あのギャラハット養父子(おやこ)なのでした。

 

けれども、ガラティアよりの言葉・・・「自由に生きよ」―――を、ビューネイから伝えられていたのにも拘らず、

なぜ、彼ら養父子(おやこ)は、敢えて敵方の将であるリリアの前に現れたのでしょうか。

 

それこそは―――哀しいまでの・・・彼らなりのけじめのつけ方だったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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