≪六節;心に響く“一撃”≫

 

ヒ:ナニ・・・? すると―――じゃあ・・この人が・・・

ギ:「帝國の双璧」―楯―にして、ヴァルドノフスク城主・・・そして、ヴァンパイアの公爵であるエルム=シュターデン=カーミラ!

 

 

〔今―――リリアとマキに止めを刺そうと向かっていたヒヅメを、華麗な一撃で弾き飛ばした者がいました。

 

けれども、やはりそうであるように―――自らが愛する者達を一人として失いたくないヴァンパイアの公爵が、そこに立っていたのです。

 

ですが・・・元々パラディンでもあったギャラハットは、エルムの存在を別の認識をして捉えていたのです。

そう・・・エルムは吸血鬼であり―――ギャラハットはそれを退治することが出来るパラディン・・・

 

するとなると、またもやエルムが行動不能に陥ってしまうのではないか・・・と、思われたのですが―――〕

 

 

エ:フフフフ・・・話はたっぷりと聞かせてもらったよ―――

  それにしても、判んないもんだね・・・限りある命を、そんな風に粗末に扱おう・・・だなんて。

 

  そんなに・・・死にたいって云うんなら―――いいだろう、この私が・・・

 

マ:や―――やめて!エルムちゃん!!

  この人達は悪くなんかはないんだ・・・だから―――だから―――!!

 

リ:(凄い・・・殺意―――本当にこの人、この二人を殺(や)る気でいる・・・

  普段はあんなに人当たりも良く、優しい方なのに―――・・・)

 

 

〔普段は人当たりも良く優しい人―――リリアの表現の仕方は、確実にエルムの本質をとらえていました。

(時たまにその人当たりの良さが仇となり、鬱陶しいと思われてしまうのは是非もないことなのですが・・・)

 

そんなエルムが―――今までの自分たちのやり取りを見ていたかのように、命を粗末に扱おうとするヒヅメ達父子に対して急に風当たりを強くしたのです。

それに―――先ほどまで自分たちが対戦をしていた時には、どの位置からも感じられなかった違和の怖気(おぞけ)・・・――殺意――

自分たち人間が闘(や)り合っていた時には感じることなどなかった闘気を発散するエルムは・・・やはり―――

 

するとその途端、目にも留まらぬ速さで―――〕

 

―=飛燕疾風脚=―

 

 

ヒ:うわああっ―――

 

マ:―――ヒヅメちゃん!

リ:(迅い・・・その上に洗練されている―――!)

 

ギ:ヒヅメぇ〜っ!

エ:感心しないねぇ・・・何をうろたえているんだい、次はあんたの番なんだよ!

―=真空竜巻旋風脚=―

 

ギ:ナニ?! うおお―――っ・・・

ヒ:お・・・・お養父さん・・・

 

 

〔実際にエルムの戦闘を目にしたリリアやマキ・・・ヒヅメは、この時のエルムは容赦がなかった―――と、後世に伝えたのです。

 

それは―――愛する者達を、その者達が亡き者にしようとしていたから・・・?

それは―――限りある命を、こんなにも下らないことで粗末に扱おうとしていたから・・・?

 

それとも―――・・・?

 

いえ、実は―――・・・

エルムには判っていたことだったのです・・・この父子が、どんな決意でこの場に立っているかと云う事など・・・

 

だからこそ―――手心を加えることなど、なかったのです。〕

 

 

エ:フン―――がっかりだね・・・あんた達の決意と云うものが、どれほどのものかと思っていれば・・・

  それっぽっちのものだったのかい―――

 

ヒ:な・・・なんだってぇっ―――!

エ:来な・・・あんた達がどれだけ甘ったれたことを云っていたか―――思い知らせてやんよ。

 

ヒ:こ・・・このぉお〜っ!!

―駿傑:摩莉天―

 

>>Counter                                                               

―=上段当て身投げ=―

 

ヒ:うわっ―――

 

リ:あの人が・・・技を仕掛けた後―――

マ:その反動を利用して投げちゃった・・・すっごぉ〜い!

 

ギ:お―――おのれ・・・ヒヅメを!

〜我が剣閃を受け止めよ〜

―夜譲帝王剣―

エ:いい剣筋だ・・・けど―――技の直後には硬直時間がある、それをよぅく覚えておくことだね・・・

>>Reversal                                                                            

>>Gard Cancel                                                                     

―=パゥワー ゲイザー=―

 

 

〔決して油断をしたつもりなどない―――けれども、自分たちが渾身を込めた一撃でさえも、

ヴァンパイアの公爵は軽くあしらうかのように捌いてしまったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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