≪四節;闇の帳(とばり)の向こうに居座る者≫

 

 

〔そして―――愈々(いよいよ)この戦での総仕上げとも云える、三傑のフォルネウスが居座る最上階にて・・・〕

 

 

リ:敵将フォルネウスはいずこか―――パライソ征東将軍リリアがお相手をします!

 

――――・・・・

 

ヒ:・・・いない? そんなはずは―――

 

エ:うぅ〜ん―――それにしても〜、リリアちゃんの啖呵に思わず うきゅ〜んv なっちゃいそ〜v

リ:・・・エルム様、 うきゅ〜んv ならなくてよいですから・・・

 

マ:おりょ? なんだか奥の方でごそごそ云ってるみたいだぴょん?

エ:え〜っ―――うそぴょ〜ん! エルムりんこ怖いんだぷ〜〜

 

リ:(な・・・なぜなんだろう―――本来なら敵将を倒さなければいけないのに・・・)

ヒ:(今、無性にこの人達の方を先に倒さなければ―――と、思ってしまったのは・・・)

 

 

〔そこには、敵の猛将が自分たちを待ち構えているものと思っていたのに―――

なぜか誰もいるようではなかった―――・・・

 

ただ、寂然たる闇の帳(とばり)が、玉座の周りを覆い隠していたのです。

 

しかしそこを、五感を鋭敏にしていたマキが、やはりここには誰かがいるようだ―――とはしたのですが・・・

今一番緊迫しなければならない時に、どこかふざけたような・・・云わば拍子の抜けるような云い方をしたのです。

しかもエルムもそれに合わせるかのような物の云い方をしたものだから、一層場の雰囲気と云うモノが崩れてしまい、

リリアとヒヅメの怒りを買ってしまったようなのです。

 

ところが・・・やはりクーナ随一と謳われただけのことはある雄将は、どこか違ったようで―――〕

 

 

ギ:エルム殿・・・色々御世話をかけ申す―――

  確かに戦場では緊迫するもの・・・とは云え、「過ぎたるは尚、及ばざるが如し」とも云いまする。

  ―――違いますかな。

 

エ:フフフフ―――・・・面白いことをお云いじゃないか・・・

  今のやり取りをそんな風に捉えてくれるなんて・・・ありがたいことだよ―――

 

ヒ:え? それでは―――・・・

リ:エルム様―――?!

 

エ:さぁ・・・よく見ておくんだ―――この闇の帳(とばり)の向こうに居座る者をね!

 

 

〔そこでエルムは、空気中にいると云われる火の精霊の一種に呼びかけ、暗闇を一瞬にして可視可能なまでの明るさに照らす術―――<ファイアー・フライ>を唱え、

ハルナ城玉座に居座っている魔将の姿を照らし合わせたのです。

 

するとそこには、やはり―――・・・〕

 

 

ヒ:あれは・・・三叉の鉾(トライデント)―――

エ:そう・・・あれが奴の得物だと云う、「アクター・ネファリウス」・・・

リ:フォルネウス=クシィ=ダグザ―――!!

 

 

〔そこには、三叉の鉾(トライデント)―――またの異名を「悪辣なる者」と呼ばれている、 アクター・ネファリウス を持つ魔将が鎮座していたのです。

その魔将の名は・・・フォルネウス=クシィ=ダグザ―――

 

彼は、アラケスやビューネイと並ぶ、カルマの中でも古参の将として知られ、彼らとともに “三傑” として畏れられてきたものでした。

 

戦闘能力・知能などは、その他の魔将たちと比べてもずば抜けており、

その中でもとりわけ彼は、滅多と相好(そうごう)を崩さないことから、普段は何を考えているか知れなかったのです。

 

そしてそれは、その時でも同じでした。

 

ただ、相好(そうごう)を崩さないまま・・・この城を陥落(おと)そうとする愚か者達を、待ち構えているかのようだった―――

 

一見すると、そのようにも見えたのですが・・・

 

この時不思議に思えたのは、ならばなぜ―――愚か者たちである彼女たちがそこにいても、何の反応も示さなかったのか・・・〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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