≪三節;二大要塞の起動≫

 

 

〔その一方―――カルマのコキュートス城では、今回の敗戦による処置と評議がなされていました。〕

 

 

ア:(アウナス=ヅェゲラ=ベルゼビュート;七魔将の内の三傑の一人。)

  ふぅぅ〜む・・・フォルネウスまでも潰えたか―――

 

ビ:そのことに関しては、私としても非常に忍びなく思っている・・・。

  だが―――もはや過ぎたことをとやかく云うつもりもないのだが、私も丁度その場に居合わせたので援助協力を申し出た・・・

  ―――に、も拘わらず、私からの申し出を無視し続けた彼からは、終(つい)にはカルマに戻れとまで云われたのだ。

 

  彼本人からそう云われたのであれば、私とて無為にそこに居続けるわけにもいくまい。

 

ジ:(ジィルガ=エスペラント=デルフィーネ;カルマ国の黒き宰相。 どうやら彼らとは遺恨有き―――のようではある。)

  フ・フ―――フフフ・・・

 

ア:何が可笑しい! マエストロ―――

 

ジ:これは失礼を・・・ですが―――彼も痩せ我慢などなさらずに、ビューネイ様のお力を借りれば良かったモノを・・・

  そのことが可笑しくて―――つい・・・

 

ビ:ですが―――その今の行為は、故人にとっては不名誉極まりませんぞ、マエストロ・・・慎まれよ。

  とは云え、このままこちらのお株を奪われるようなことをされ続けるのも、癪に障るというものだ。

 

  ―――と、云う事で閣下・・・私の意見としましては、「ジュデッカ」と「マディアノ」の起動展開を奏上したいのですが・・・

 

サ:(サウロン=カルマ=アドラレメク;この乱世の元凶とされている、カルマ国統治者にして「魔皇」と称された人物。

  常に漆黒の甲冑で全身を覆っているため、誰も彼の正体は知れずにいるらしい。)

  フム・・・小癪なことではあるが、咽喉元(のどもと)に刃を突き付けられているというのは、吾(われ)としても内心面白からぬ話―――

  よって、ビューネイ―――貴様からの申し出、承ってやろう・・・

  早急にかの二大要塞を起動するとともに、吾に仇なす凡愚どもを葬り去るのだ―――!!

 

 

〔かつては七人もいて、壮観に思えたコキュートス城玉座の間も、今や三人に数えるまで減っていました。

 

けれども、ここにいた二人は、これまでパライソが討ってきた魔将レベルとは格が違いました。

 

一人は―――アウナス=ヅェゲラ=ベルゼビュート・・・

そしてもう一人は―――ビューネイ=グリード=サルガタナス・・・

 

しかも今回討たれたフォルネウスは、彼らと同期と云う事もあってその死が悼まれたのですが、

そのフォルネウスの死の前後に、カルマの黒き宰相として就任した人物・・・

古き時代には自分たちに仇なした―――シャクラディア帝国の丞相でもあったジィルガが、半ば不遜とも取れる態度・・・

古くからの同僚の死を笑うという行為に、アウナスは憤りを覚えていたのです。

 

そこは当然ビューネイも咎めるところではありましたが、大局的に見て大事と小事を取り違えてはならないとし、

これ以降のパライソの侵攻にも備えて、かの時代にも難攻不落を誇った二大要塞―――「ジュデッカ」と「マディアノ」の再起動を提示し、

ここに魔皇・サウロンの承認を得て、カルマの不敗神話を企てようとしたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

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