≪四節;学術調査と称して―――・・・≫

 

セ:は――――ぁ・・・シャクラディア・・・

  あの遺跡に興味がおありとは、中々勉強熱心にございますな。

ア:い――――いえ・・・

 

セ:そういえば・・・先日も、あの遺跡の中へ入りたい―――と、申されていた御仁がおられましてな?

  いやはや、昔を識る―――と、いうことは、何にもまして、よいことでありますよ。

ア:はぁ―――・・・それで、その方は・・・?

 

セ:確か・・・ご老体で、二人の小さなお子を連れておりましたなぁ、名を確か――――・・・

ア:・・・キリエ――――

 

セ:ああ、そうそう―――その・・・キリエというご老体でしたが・・・

  はて?どうしてあなた様が、その御仁の事を―――・・・

 

ア:わたくしの・・・連れの一人だった方ですから・・・

セ:はあ―――・・・

 

ア:そうでしたか・・・分かりました、それで―――許可の方は出していただけるのでしょうか?

セ:ええ、どうぞ、このことに関しましては、私のほうからイクに伝えておきますので・・・・では。

 

ア:(キリエさん・・・コみゅちゃん、乃亜ちゃん・・・・あの三人が、昨日あそこを訪れている??)

  それに―――と、いうことは、昨日から宿に帰ってきていないということは――――・・・・

 

 

〔そう―――それは、未だに遺跡の中へ留まっているという事。

 

その原因として、何らかの事故に巻き込まれて、そこから出られないでいるのか――――

はてまたは、幼い二人が広い遺跡ではぐれてしまって、それを探すのに三人とも未だ遺跡を彷徨(さまよ)っているのではないのか――――

などと、ついよからぬことばかりが頭の中を過(よ)ぎってしまっていたのです。

 

しかし―――そのいづれもが、杞憂に過ぎてしまった事を、アヱカは知ることとなったのです。

 

 

そして今は――――かのドルメン『シャクラディア』正面にて・・・・〕

 

 

ア:こっ―――・・・これは!!?

  わたくしも・・・故国テラで、その存在が遺跡である・・・と、しか知らなかったのですが、これはまるで―――――

 

影:<古代王朝のお城のようかい? まぁ―――とにかく中に入ってみよう。>

ア:は――――はい・・・

 

 

〔影の人の声に促されるがまま―――その遺跡の中、奥深くへと入り込んでいくアヱカ・・・・

すると―――そこでアヱカを温かく迎えに出たのは、なんと・・・・〕

 

 

ア:ああっ―――!! あ、あなたは―――!

 

キ:ようこそ、皇城シャクラディアへ。

コ:あたし達は、アヱカ様を、心快(こころよ)く歓迎いたしますみゅ〜♪

乃:しますみぅ―――♪

 

 

〔そこにいたのは―――年老いた老婆でも、幼い子供でもなく・・・・

うら若き女性と、スピリッツの三人だったのです。〕

 

 

ア:ど―――・・・どうして・・・あなた達が・・・・

 

=それよりキリエ、早くこの人を、玉座の間まで案内してやってくれないか・・・=

 

キ:かしこまりました・・・・では、こちらに――――

 

ア:い―――今の声は・・・わたくしの頭の中で聞こえていた、影の人の声・・・・

  それが、どうしてこんなにも鮮明に―――?

 

キ:それも、今から足を向かわせて頂く事となる場所にて、明らかとなる事でございます。

  さ―――こちらへ・・・・

 

 

〔今までは―――頭の中に語りかけてくるような感じだったものが・・・・

それが今となっては、その空間を通じて、直接耳に入ってくるものに代わった事に、著しく驚くアヱカ。

 

そして、若くなったキリエに案内されるままに、この遺跡・・・・

いや、城の中核ともいえるべき『玉座の間』まで、その足を向かわせることとなったアヱカは・・・〕

 

 

ア:こ―――この扉の向こう側に、なにが・・・・

 

キ:しばしのお待ちを―――・・・・

=我れこそは、皇の臣、左軍中郎将・左将軍、キリエ=クォシム=アグリシャスと申す・・・=

 

ア:え―――・・・? キリエ・・・クォシム―――???

キ:さぁ、お入り下さい。

 

 

〔そして、今までにも聞いた事のない肩書き・・・名前――――これが、どうしてあの老婆と、同一人物であったと思えたでしょうか。

 

しかし、今はそのキリエに促されるまま、『玉座の間』に入ってみれば・・・・

そこには、黄金造りの玉座と―――部屋の中央に置かれた『宝珠』があるだけ・・・・

 

そして――――〕

 

 

ア:あの・・・これは??

キ:それに触れられて下さい、あの方の魂をお持ちでいらっしゃるあなた様なら、可能なはずですので・・・。

 

ア:あ・・・「あの方」の―――「魂」??

キ:はい。

 

 

〔アヱカは、キリエの促されるままに・・・しかし畏る畏るながらも、その宝珠『カレイド・クレスト』に触ったのです。

 

すると・・・その宝珠は、虹色に光り輝き出し、アヱカの目の前に、信じ得難い光景を、映し出し始めたのです。〕

 

 

 

 

 

 

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