≪二節;元帥の思惑≫

 

 

〔ともあれ、元帥に昇進したタケルが、初めて開催する作戦会議にて・・・〕

 

 

タ:さて―――各々方には初見ではないかも知れませぬが。

  ワシが此度、陛下より元帥の称号を拝命した、タケルと申す者です。

 

  つきましては、これから各々方に申し渡したいことがあります。

  それは―――二年あまり自重し、軍を妄(みだ)りに動かさぬこと・・・以上にございます。

 

べ:あ゛あ゛〜〜? ナニ云ってやがんだい―――そんな愚図愚図したこと云ってねぇで、すぐさま攻め込んじまおうぜ?

キ:こっ―――こらっ、バカッ!!

 

タ:そなた―――官と名は?

べ:オレかい・・・オレはなぁ、虎髯将軍ヒ=チョウ=ベイガン様よ!

 

タ:ほう・・・貴君が、西部において最も荒ぶれる者にして、猛き者と云われているベイガン殿か・・・噂はかねがね。

  だが、今は急いてことを起こすべきではありません。

  今現在、ようやくにして大陸一の米処を抑えることが出来ましたが・・・油断できないのも事実。

  それゆえに、この二年余りは、多くなっ兵たちの腹を養うだけの、兵糧を備蓄させなければならないのです。

 

  それに・・・そなたも、空きっ腹で戦働きは出来るものでもありますまい。

 

 

〔意外にも、タケルが当初定めた方針とは、妄(みだ)りに戦を起こすのではなく、二年間は大人しくしていく・・・と、云うものでした。

この消極的な作戦に、地方の一猛将が気概を吐くのですが・・・

 

どうして―――タケルが二年間は大人しくしている必要があるのかを説くのには、

現在では、形の上だけでは独立国家と認められている「列強」ではありましたが、現実としてはパライソの版図に加えられているようなモノだった・・・

その諸国より次々と有志が募り、今やパライソ軍は100万と云って、差し支えはなかったのです。

 

―――とは云っても、数は多いに越したことはないにしても、その多数を養うだけのものがあったかと云えば・・・

そこはタケルが示した通り、それだけの量が貯まるまでを待つ・・・と、云う事だったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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