≪二節;難攻不落の城≫

 

 

〔かくして、ワコウ城攻防戦は幕を切って落とされ、総勢5万を数えるパライソ軍は、迎え撃つ2万のカルマ軍に怒涛の攻撃を仕掛けたのです。〕

 

 

ノ:やはりここは、三の丸・二の丸の順に攻略し、然るのちに本丸を目指すべきなのだとは思うのだが・・・

  果てさて、向こうさん達も、そう楽には勝たせてくれそうにはないようだな。

タ:然は云えど、この城の造りから見るに、三の丸と二の丸は防備の要・・・まづはここを陥落(おと)さねば話しにならぬでござる。

 

  それにしても、今更ながら思うに、さすがは西国一の名城―――

  旧フ国の州城、わがギ州のコーリタニや、陛下のおられたガク州のカリストのような地方の城塞とは違い、大した堅牢ぶりでござる。

 

チ:しかし・・・今となってはその堅牢ぶりが仇となってしまうとは。

  悪くすればこの戦、長引いてしまうやもしれませぬ。

 

 

〔カルマに侵攻された時には、あっさりと陥落(おと)された城でも、自分たちが逆の立場で攻め込んだとき、

(さなが)らにして、この城の堅牢ぶりとカルマの強兵ぶりを再認識せざるを得なかったようです。

 

そのことは互いの陣容にも色濃く表れており、守る側のカルマ軍が、攻める側のパライソ軍の半分にも充(み)たないと云うのも、

そのことを暗示していたかのようにも見えたものだったのです。

 

 

それにしても、カルマ軍の性格上からすると、今回の攻防戦では、彼らは全く“らしくない”戦法を取っていたのです。

それが・・・「護って勝つ」。

しかしそれは、今までのパライソ軍が取っていた戦法―――

 

自分たち人間は、カルマ軍の兵士の様な人外の者ではないので、耐久性にも物理的攻撃力にも劣るところがあるとし、

何とか工夫を凝らして、彼らとの戦いを優位に持っていきたい・・・その結果、持久戦に持ち込むのが最善策であるとし、

難局もそうやって乗り切ってこられたわけなのですが―――・・・

 

それを、今度のカルマ軍は取り入れた―――

 

元来の彼らの性格ならば、城より積極的に撃って出てくる方が相応しいと思っていたのに、

それを、この期に及んで、閉じた貝の様に城門を固く閉ざし、堅実に防御に徹すると云うのは・・・

 

その異状さは、キリエも認めるところとなるのですが、彼女も上官の計らいによって前線には立てたものの、

未だ主戦力に投入まではされていなかったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

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