≪四節;援軍の将「龍皇」≫
〔まるで見たこともない武器の応酬に、パライソの兵たちは皆、度肝を抜かれてしまいました。
たった一条の閃光が、自分達の足元に落ちたかと思うと・・・途端に地は爆ぜ、爆熱や爆風が襲い―――
まるで阿鼻叫喚の地獄を、その場に演出させて見せたのです。
この、味方の混乱ぶりを見たヱリヤは、こんな風に皆を落ち着かせるのでした。〕
ヱ:皆の者―――落ち着け! 奴らは所詮、威嚇や牽制を行っているのに過ぎない!
紫:し―――しかし・・・お言葉を返すようですが、あんなモノを持ち出されてしまっては・・・
ヱ:そう云えば紫苑殿・・・なぜ私がこの位置に陣を構えるように云ったのか―――判らないかな?
紫:え・・・っ? この位置―――・・・
エ:そ―――、なんでもちっと近くに構えなかったか・・・それはだね、ここがアレの射程距離外なのさ。
ヱ:フ・・・ここにいれば、アレを使われたとしても届きはしない―――
だが、見るも聞くも初めての君達には、十分に効果のあったことだろう。
〔知っているからこそ、教えてやれることもある・・・。
確かに七万年前のあの当時は、なにも知らなかったから現在の彼らのようにオロオロしているばかりでしたが、
タネもシカケも教えられた今となっては、怖さなど明後日の彼方に置いてきてしまった―――
そして今―――その役目を、あの当時はマエストロがしてくれていたことを、今度は自分達がやろうとしている・・・
知識とは、個人だけが有するものではなく、それをいかにして後世に伝承していくか―――と、云うこと。
だから無形の財産とも云えたのです。
それはそうと、一方のジュデッカ内部では―――・・・〕
ア:ハ―――ッハッハッハ! 見ろ!まるで巣を潰された蟻のようではないか!!
誰:・・・随分とまた、ご機嫌なようだな―――アラケス・・・
ア:・・・フン―――何をしに来た、スターシア! オレはまだ苦戦はしてはおらんぞ!!
ス:つれないことを云ってくれるな―――私たちは、曲がりなりにもタワーリシチなのだぞ・・・。
ア:・・・ケッ―――まあいい、そこで大人しく見物でもしていろ。
〔この要塞の指令室と云って差し支えない、今はアラケスの部屋に、未だ苦戦が伝えられていないにも拘らず、なぜかそこにはスターシアの姿がありました。
果たして彼女は、なんの目的でここに―――?
やはり近い未来において、苦戦するであろう現在の味方を見過ごすことなど出来ないから、黒き宰相の許可もなく彼女自身の判断のみで援軍として駆け付けていた・・・?
それとも―――・・・
しかしその理由は、すぐにその場にて明らかとなるのでした。〕