≪三節;鉄扉突破≫
〔一方その頃―――要塞の扉付近では・・・
ようやく120回を超えた頃にして、鉄壁の護りを誇っていた扉が・・・〕
ヱ:―――よし! このまま内部まで傾(なだ)れ込むぞ!
エ:望む処だよ・・・さっさと決着をつけちまおう!
〔轟音を立てて・・・崩れ逝く要塞の扉―――
そして一気に、要塞内部を制圧するため傾(なだ)れ込むパライソ軍と、対照的に逃げ惑うカルマ軍・・・
屈強な兵とは云え、それを拠り所としていたモノが崩落してしまえば、瓦解は一気に加速していきました。
そして司令部のある中央制御室を制圧すると、守将の存在が確認できなかったので、捕虜にした者から問い質(ただ)してみると・・・〕
魔:フ・・・アラケス様は、この要塞の地下にあるコロシアムにいらっしゃる。
しかも、お前の母であるスターシアと一緒に・・・なぁ?
ゲハハハハ―――グブッ!
〔あのアラケスが・・・自分の母であるスターシアと一緒に・・・地下のコロシアムに―――いる?
その事実に、一瞬我が耳を疑ったヱリヤでしたが、以前から疑問としていたことが確信に変わっていったのも事実だったのです。
そう・・・西のドルメンである「奉竜殿」に奉られていた母の御霊を・・・
やはり何者かが奪い去り、不埒なことにも母をこの世に蘇らせた・・・。
しかもそうさせたのが仇敵カルマであるとしたならば―――?
「今度会うときは、敵として認識しなければならなくなるだろう・・・。」
あの時の女皇アエカの言葉が、今更ながらに重たくのしかかってくるのでした。〕
To be continued・・・・