≪四節;揺るがぬ鉄扉≫

 

 

〔そして―――機を・・・満を持して、切って落とされた戦端は・・・〕

 

 

イ:これより―――マディアノの攻略を開始いたします。

  それにはまづ・・・あの鉄壁の防御を誇る鉄扉を破壊しなくてはなりません。

 

セ:各投石機投射準備―――放てっ!!

 

ギ:・・・やはり―――ビクともしねぇか・・・。

  ん? なんだ?ありゃあ―――・・・

 

ミ:むっ―――いけない、あれは・・・

  総員退避! 要塞よりの砲撃が来ます!

 

 

〔西部方面とは違い東部方面には、ヱリヤやエルムのような破壊に特化したスキルを持ち合わせる武将がいなかったため、

(もっぱ)ら投石機による破壊活動―――と、云う、使い古され・・・しかも地道で根気のいる作業が必要でした。

 

しかも、マディアノもジュデッカと同じく、例の砲門―――「拡散波動砲」を備えていたのです。

 

そして今―――反撃とパライソの進行を鈍らせるための第一波が発射され・・・〕

 

 

リ:被害状況報告―――・・・

  (まづいわ・・・たった一撃でその殆どが―――だから云ったのよ・・・「大丈夫なのか〜」・・・って。)

 

 

〔リリアが懸念していたことは、図らずも当たってしまいました。

 

これから要塞を攻略するための足がかりともなる、大切な道具を―――人智を上回る破壊兵器で根絶させられてしまった・・・

 

これにより、前線に出していた攻略兵器は全滅―――後方で工作兵が造る兵器は、いかに早くとも二カ月は要するだろう・・・

その期間、自分達はどのようにして、この難攻不落の要塞を陥落させられるのか・・・

それよりも第一に、タケルやカインほどの智者が、そのことが判らないはずがない―――と、思っていたのですが・・・〕

 

 

 

 

 

 

 

 

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