≪二節;製造認識番号(シリアルナンバー)≫
ナ:私の名前―――いえ、この個体が有する正式名称及び製造認識番号は、
自律制御人型破壊兵器・Project_No,2501verV(プロジェクトナンバー・ニ・ゴ・ゼロ・イチ・バージョンサード)
尚―――このverは、ジェノサイド・プログラム「ノヴァ・ハーツ」実装タイプとなります。
〔衝撃・・・それはまさに、衝撃の告白以外のなにものでもありませんでした。
確かに、仲間内であるユミエや、ナオミ本人からの云い分の通り、彼女は人間・・・況してや生き物ですらない―――「人形」・・。
いや、その前に・・・この当時「人形」と呼べるモノは、子供の玩具の範疇であり―――
とてもではないが、タケルや婀娜那たちの眼前に控えるような、自分で動くこと―――喋ること―――考えること―――・・・
感情に任せて泣き・笑い・怒り―――などと、出来るような代物はなかったのです。
だとするならば・・・そんなことが出来てしまうナオミは、もしかしなくても特別製―――?
いや・・・そも―――〕
タ:ナオミ・・・今、お前は自分のことを「人型破壊兵器」―――だと?
それに、ジェノサイド―――・・・
ナ:フフフ・・・さすがはタケル―――耳聡いね。
そう・・・私が造られた主目的は、「兵器」・・・。
それも、より効率よく相手を殺して逝く「ジェノサイド」・・・
けれどね、今の正統保持者であるあいつに、そうしたプログラムのほとんどを書き換えられてさ―――
今の今まではお飾りのようなモノだったんだ。
〔そう・・・このときタケルが一番気に留めたのが、彼女自身が「兵器」だと云ったこと―――
しかも、カルマが擁する超未来型兵器「拡散波動砲」よりも、より凝縮された「人型」―――・・・
そこでタケルは、あることを懸念し始めたのです。
そう―――女皇アヱカが、皇城シャクラディアの技術を、兵器に転用することを認めた・・・?
けれどしかし、そこには矛盾も多く含まれていたのです。
まづ第一に、タケル自身がナオミ率いる「禽」に、アヱカに出会う以前に巡り合っていたと云うこと。
第二に、現在のナオミの正統なる所持者のこと―――
ナオミの所持者が、アヱカだと云うのならば、すでにナオミ自身がそう云っているはずだろう・・・
なにもこんな回りくどい云い方をする理由も見つからない―――・・・
そして最後の矛盾点・・・それは、タケルですらナオミ達の出身地を特定できないでいた―――と、云うこと。
そのことがつまり、タケルの内での「女皇アヱカによる技術の兵器転用説」を、完全否定できる材料ともなっていたのです。〕