≪五節;“光”vs“光”≫
ヱ:待て・・・それはどう云う事だ―――
やはりお前達は、最近会っていたと云うのだな・・・
だがなぜ―――その事を隠す必要がある! 私に知られると不都合な事が・・・疚(やま)しい事でもあると云うのか!
赦せん・・・何もかも私に秘密にするなんて―――!!
―=アニヒレーション=―
〔真紅に燃え盛ったヱリヤの闘気は、やがて部屋全体を照らすまでになりましたが、すぐに凝縮を始め・・・
その凄まじいまでのエナジーを「スカーレット・ブリューナク」の穂先に転化し、そこから放出する―――ヱリヤ最強にして最大の『光』の奥義・・・
けれど、そんなヱリヤ最大の奥義をしても、母親であるスターシアにしてみれば・・・〕
ス:ふむ・・・それがお前の『光』の奥義だと云うのか、面白い―――受けて立とう!
―=トニトルス=―
〔超絶を誇るヱリヤ『光』の奥義でさえも、「龍皇」と綽名された実の母の前では、涼風同然だった・・・
エネルギーの塊がスターシアに激突する寸前に、スターシアの身体から発する雷光に阻まれ―――・・・
いや、その雷光ですら、スターシア『光』の奥義―――その序曲に過ぎなかったのです。
それと云うのもその雷光は、部屋の隅々まで波及し・・・宛(さなが)らにして荒れ狂う雷雲のようでした。
しかも次第に大気までも鳴動し始め、そこから大きな雷を召(よ)び喚(よ)せたのです。
それによって、ヱリヤが放出したエネルギー火焔弾は、スターシアが産み出した雷光により駆逐されてしまい、
ヱリヤ自身も、その雷光に打たれて感電してしまい、麻痺して思うように身体か動かせなくなってしまったのです。
そしてここで―――勝負はついたか・・・に、見えたのですが・・・〕
ス:情けない―――私は情けないぞ!ヱリヤ!!
それともお前は、この母の上を征(い)く器ではなかったのか!
失望した・・・私は失望したぞ―――ヱリヤ!!
〔今のスターシアの言葉を聞いて・・・ノブシゲは何かに気付き始めました。
それは違和感―――まるでこの女性は、闘いの内で自分を倒してくれとでも云っているような・・・そんな錯覚に陥ったのです。
すると・・・幾分か体力を回復させ、身体を少しずつ動かすヱリヤ―――
そんな・・・痛々しい親友の姿を見るに耐えかねたエルムは・・・〕
エ:お前サマ・・・もういいって!
あとはこの私が―――スターシア様と・・・
ヱ:待・・・て・・・シュターデン・・・・―――
ス:健気なモノだな。
だが―――そんな三文芝居を打ったところで、私の娘は最早立ち上がる気力すらない。
だから、その茶番もすぐに幕を下ろしてやる!!