≪六節;増援≫

 

 

〔やはり・・・創造者の方に分があったと見るべきか―――・・・

「十聖剣」を創り出した人物は、その十本が普通の鉄や鋼で出来たモノではない・・・と、したのです。

 

では、何が原材料なのか―――・・・

 

それは、伝説となっている幻の鉱物、「神鉱・ジルコニア」・・・

その配分率の違いが、緋刀貮漣と他の九本の違いだ・・・ともされたのです。

 

この真実を知り、更に打ちひしがれてしまう婀娜那―――

するとそこへ、西廻りの回廊から、やや遅れてヱリヤが―――・・・〕

 

 

ヱ:なるほどな・・・やはり、仕掛けていたのはあなたでしたか―――マエストロ。

ジ:ヱリヤちゃん・・・

 

ヱ:気安く名を呼ばれては困る!

  確かに、あなたには大恩ある我が身です―――なれど、いかなる理由あってカルマに与(くみ)したのですか! お答え頂きたい!

 

 

〔ヱリヤは―――今回、マエストロの計略によって、愛する母と闘わざるを得なかったヱリヤは・・・

事柄の自然な流れのままに、母と自分がそうせざるを得なくなったのは、この人物の差し金なのだと思うしか有りませんでした。

 

だから、過去に大変な恩義があろうとも、今更大敵カルマの走狗になるかのような行為には、憤りを感じていたのです。

 

そして―――・・・〕

 

 

ヱ:お覚悟―――マエストロ!

――=クリムゾン・ノート=――

 

 

〔超高熱の焔を纏い、相手に突撃する技―――

けれどもジィルガにしてみれば、教え子の技など無効に等しかったのです。

云え・・・無効どころか、彼女にはヱリヤの槍の穂先すら掠らなかったのです。〕

 

 

ヱ:(ナニ・・・すり抜けた―――? しまった・・・これは―――)ディストーション・・・

ジ:フフフ・・・どうやら頭に血が昇って、気がつくのが遅すぎたようね、お仕置きよ。

――=裏面・伍阡伍佰拾弐式;ローザース・ウィスプ=――

 

 

〔やはり手強い・・・自分達の技は通用するはずがなく、またしかも彼方からの大魔法は避けようがない―――

・・・と、くれば、最早手の打ちようがないとさえ思われるのですが―――

ここでようやく東廻り回廊からの増援が全員揃った事で、戦局が変わりつつあったのです。〕

 

 

紫:婀娜那様はご無事―――

イ:あの女性が・・・カルマの殿(しんがり)―――

 

ヱ:皆・・・見誤ってはならない―――この方は、その昔私達でさえ武の手解(てほど)きをしてもらったほどの腕前を持つ・・・

  マエストロ・デルフィーネ―――と、そう呼ばれている・・・心してかかれ!

 

 

〔そして・・・ここで確かな事が云えたのは―――先程ジィルガが云った事そのままなら、彼女の「失敗作」が総て揃った事になるのです。

 

それに、その事によりジィルガは知ることになったのです。

後詰めとして、教え子であるヱリヤに―――他の九本の聖剣の持ち主がこの場に現れた・・・と、云う事は、

同志であったスターシアやベェンダーの二人は、嘗(かつ)て自分達が果たせなかった理想を引き継がんとする者達の手によって、討ち斃された・・・と、云う事を。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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