≪三節;夢か現(うつつ)か幻か≫
ガ:・・・そいつはどうかねぇ―――
ア:(!)―――まさか・・・?!
ガ:そのまさかさ、この私があんたの行動を読み切れないとでも思ったのかい!
それに・・・苦労をしたもんさ、お陰で時間を掛けた甲斐が出来たってもんだよ。
今度はお前が受けな―――!
――=アルマゲイスト=――
〔ところが・・・アヱカの術中に嵌ったかに見えたガラティアでしたが、機会を伺っていた・・・と、云う点では、こちらも同じ―――
アヱカが・・・自分に一歩近づいてきた―――その瞬間を見逃さなかったガラティアは、予(あらかじ)め床に組み込んでおいた魔法陣を発動させたのです。
その「死せる賢者」からの洗礼を受け、今度はアヱカが身悶(みもだ)えました。
しかしその反面、ガラティアも無事では済まなかったのです。
そこにはまさに、両者相譲らぬ攻防が続いていたのでした。〕
ガ:フ・・・フフフ―――私ともあろう者が、あんたのポテンシャルを見誤ろうとは・・・
しかし、それはあんたの方でも同じこと・・・私があんたと対峙するために、なんの策も用意していないとでも思ったのかい。
ア:―――・・・。
ガ:返事はなし・・・どうやら終わりのようだ―――
ならば、この上は首を刎ねて、二度と復活できないようにしてやる!
〔そして―――振り下ろされた裁きの刃・・・
馘を断たれた、小さな頭部と・・・胴体のみが、コキュートス玉座の間を血の海に変えようとしていました。
そして・・・今ここに―――この世の正義の一つが、終焉(おわ)りを告げたのです・・・
―――ところが??〕
ガ:ハッハッハ―――(はっ?!)
〔哄笑と共に、賢者は我に返る―――
まるで、今の出来事が「夢」であったかのように・・・
そう―――「夢」・・・
今にしてみれば、虚しい―――「夢」・・・
けれど・・・いつから見せられていた―――?
いつからそう思わされていた―――?
とは云え・・・総てはそう―――〕
ア:どうされたのです・・・ガラティア―――
一体何の勝利を確信して、お笑いになられたのです・・・
〔つい先刻―――裁きの剣によって、馘を断たれたはずの人物が、自分の背後(うし)ろにて語っている・・・
もしかすると、これもあの術式の影響なのでは―――・・・?
ガラティアがそう思うのも、無理はありませんでした。
なぜならば・・・先刻アヱカが行使した術の正体は、遥かな過去に自分達に対抗していたある組織の首領が使っていたモノ・・・
それに思えば―――先刻馘を断った存在は、その組織の首領ではなかったか・・・
そんな疑問を感じると、同じようなモノが次々と頭を擡(もた)げてきました。
しかし、これを見ても判るように、アヱカが行使した術式は、婀娜那たちが反撃に転じる為の「きっかけ」―――としてではなく・・・
他人の言動の裏まで読むと云うガラティアの特性を利用した、アヱカならではの攻撃だったのです。〕