≪三節;真の・・・平和の・・・為に・・・≫
ア:あの方々は・・・今回の事で、ご自分達の存在を消す覚悟にまで至ったのです。
その決意の程を、肉親であるあなたが判らないはずはないでしょう・・・。
それに、あの方々が敗(やぶ)れ、この世から消滅してしまうと云う事は、この世のこの地に生きる者達に、安寧を齎(もたら)すきっかけともなって行くのです。
なぜ・・・復活なされたあの方々と、その同志の方達が、あなたの側ではなくカルマにいるのか判りますか。
それは・・・まさにこの時のために、あなたの為に犠牲になろうとしているのです―――それでも、まだ判りませんか!?
〔嘗ては・・・敵だった―――
存在と存在とを削り合った者同士・・・
けれど、そんな過去の事はご破算にして、自分達の事業に手を貸すところとなった・・・
そこは女禍も理解をしました。
けれど・・・今度の姉達の行動には理解に苦しみ、女禍自身が彼女達に止めを刺す道理のなさに抵触し始めたのです。
しかし―――このままでは・・・計画の進行に支障をきたしてしまう・・・
そこでアヱカは、禁じられていたガラティアの計画の全容を話し始めたのです。
そう・・・愛する妹のため―――自分達が敵中深くに潜り込み、内部から切り崩した後・・・
今度は自分達が敵のようになって妹に斃される…
そうすれば、この世から人類を脅かす存在―――カルマが滅んだものと解釈をされ、人々の表情には再び笑顔が戻って行くことだろう・・・
そのことは、判っていました―――けれど、判っているからこそ達成が困難なこともある・・・
けれど、だからと云ってこの問題をこのまま放置してよいものなのか―――・・・
つまるところ、アヱカの説得はそこの処に言及していたのです。
その甲斐あってか―――・・・〕
ア:・・・そうだな―――その通りだ・・・君の云っている通りだよ・・・。
ガ:(フ・・・ようやくかい―――)
何を達観したのか・・・判らないけど―――ぬうぅん! こっちも愚図愚図とはしてられないんでねぇ!
ア:(!)タケル―――何をしている・・・早く敵を! 私の・・・姉を・・・!!
タ:・・・畏まりました―――陛下のご命とあらば!!
ガ:残念ながら・・・二度はないよ―――!!
〔そこで交錯する―――緋刀貮漣とグラム・・・
でも、勝負は既に決していたのでした。
それと云うのも、先程からの思わせぶりなガラティアの態度は、この場にいる戦士達を葬る為に・・・ではなく、寧(むし)ろ自分に作用し続けていたのです。
そこへ―――貮漣の秘太刀が入ると、流石にリッチーと云えど無事では済みませんでした。
タケルからの斬撃を受け・・・袈裟の形に斬られたガラティアは―――
しかし、不死身でもあったがため―――・・・〕
ガ:ま―――まさ・・・か・・・この私・・・が・・・
ア:(ああっ・・・姉さん!)これで―――総てを終わらせます!!
――=乾坤極絶光弾=――
〔身を分かつほどの斬撃を受け入れながらも、再び立ち上がって来ようとする死せる賢者・・・
その者に止めを刺すべく、女皇自らがまたも御業の詠唱を行いました。
しかし今度のは、先程のとは打って変わって全く神聖なモノ・・・
その女皇からの攻撃を受け入れ、死せる賢者は断末の言葉を発する間もなく、この世から存在を喪失して逝ったのです。
その際には・・・持っていた「斬獲剣・グラム」も、跡形もなく―――・・・
けれどもその際(きわ)には―――「泣くんじゃないよ・・・またすぐ帰ってくるからさ・・・」
そんな言葉を、ふと耳にした―――そんな気になったものでした・・・。〕