≪六節;“カケス”―――その忌み名を持つ女≫
〔すると―――自分の赤心を、余すことなく語ってくれた者に対し、ルリは・・・〕
ル:――――ご用件、須らく承りました・・・。
婀:な―――なんと・・・では、引き受けて下さるのか??
ル:はい・・・。
それに、例え私が、下賎の身だとて、公主様の赤心、ここまで詳らかにしてくれるとは・・・
ですから私も、自分の持てる技能をして、そのお心に応えたいと存じます・・・。
婀:お―――おお!!然様か!!それは恩に着ま・・・・
ル:いえ・・・それは早計に過ぎる事―――
あなた様は・・・ご自分の実情を明かしてはくれましたが・・・・
逆に、あなた様は、私の事―――どこまでお知りなのですか・・・?
婀:なに―――?!
紫:それは―――そなたは、他人のマネをするのが巧(うま)い・・・・
ル:(フッ・・・)そうですか―――・・・
それでは――――私の技能、ただ単に『他人を模する』か、否か――――(バッ!!)
ス―――・・・ シュン――――
公:――――・・・御覧なって、頂こうか・・・(ニィ)
紫:はあっ―――!あぁ・・・・ぁぁぁ・・・(ヘタ・・・)
婀:(なんと―――)い、一瞬で―――・・・
〔ルリの有する技能―――『形態模写』・・・。
それを目の当たりにして、紫苑はその場にへたり込み・・・滅多なことでは驚かない婀陀那も、その時ばかりは珍しく驚いていたのです。
ではどうして―――それは・・・
赤紫の髪と、スカイブルーの眸を持った者が・・・その両手を交差させただけで、
なんと―――亜麻色の髪と、エメラルド・グリーンに、ピジョン・ブラッドの眸・・・そう、婀陀那と全く変わらない容姿に―――
しかも、その声も・・・落ち着きのある、やや翳(かげ)りを帯びた・・・これまた婀陀那のモノに―――
そう、とどのつまり・・・そこには、同じ“容姿”“声”“雰囲気”を持った者が、二人いたのです。〕