≪三節;不遜なる者達―――『兄』≫

 

 

〔閑話休題―――場所を一転させて・・・

一方のこちら、クー・ナでは、またもカ・ルマ軍の猛攻撃を受けているようです。〕

 

 

ヒ:っっ―――くうッ!

  (回を重ねる毎に手厳しくなっていく・・・このままでは、

いづれアタイたち(自警団)では、手に負えなくなって・・・)

 

  一旦この拠点を棄てて、後方に下がるよう伝達を―――そこで、改めて、正規軍の要請を検討しよう・・・

 

伝:はっ―――

 

 

〔そこには―――自警団の、その総てを任せられるまでになっていたヒヅメの姿が・・・

しかも、宜しく現状の把握まで出来ているようで、敵わなくなったと見るや、被害が甚大になる前に、

団全体を後方の砦へと回避させたのです。

 

そして―――そこで、改めて自分の養父であるギャラハットの下に、援軍の要請をしたためるヒヅメ・・・

 

ですが・・・この密書を携えた伝令が――――〕

 

ヒュッ――――                                                                                                                                                                                             

ドガッ―――

 

伝:ぐわぁ―――

 

ド:YOoo―――! ヤァっタぜ!!

ド:当ったりぃ〜〜―――!!

 

ド:・・・・おいおい、こいつ〜〜―――なんか手紙みたいなのを持ってるみたいだゾ?!!

ド:なんだってぇ〜〜――?ふむふむ・・・・・人語ってのはよく解かんねぇなぁ〜〜

ド:そうか―――・・・おっ!そうだ、これをヨミ様のところに持っていってみようゼ??

 

 

〔なんとも・・・不運な事に、魔物の中でも弓の名手であるドビーたちの的にされ、

その伝令は射殺されてしまったのです。

 

でも・・・このドビーたちは、自分たちの狙撃の腕を競い合っていただけなので、

その密書の内容までは興味がなかった様子・・・。

(―――と、いうより、彼らは人の言葉など解さない。)

 

そこで・・・自分たちの上官に当たる、『ヨミ某』という者に、これを見せよう―――と、いうのですが・・・

 

実は、この事が彼女達―――ヒヅメたちの運命を、左右する事となってしまったのです。

 

それはどういう事なのか―――それは・・・カ・ルマ軍、クーナ攻略の前線基地『パロア砦』にて・・・〕

 

 

ヨ:(ヨミ=ジキル=ゲンシャー;19歳;男;種族はヒューマン(人間)・・・弱卒ではあるものの、この者はとある術に長けている。

  しかも、そのいやらしいまでの戦術・戦略理論には定評があり、ともかくも、他人を食ったような言動が目立つ≪ヴェネフィック≫)

  ――――どうした・・・・

 

ド:へぇ〜〜―――実はこれ・・・あいつ等が立て篭もってるあの砦から出てくるヤツを的当てにしやしたら〜〜・・・

 

ヨ:ほう・・・成る程―――お前等にしてはよく出来たほうだな。

  ―――で、そいつがこれを持っていた・・・・と―――どれ・・・

 

 

〔その者の名は“ヨミ”、とし若くして『幻術』を極めたという≪ヴェネフィック≫(幻術師)。

そして―――何よりこの者は、『ある者』の“信奉者”・・・。

 

では、その『ある者』とは―――?

それは、『女禍』ではなく、その逆―――『サウロン』の・・・いわば“暴君”の・・・だったのです。

 

そう―――とどのつまり、それの意味するところとは・・・・〕

 

 

ヨ:フフッ―――フフフ・・・成る程・・・これはやつらの本国へ向けての援軍の要請状だ―――

 

ド:え゛え゛っ―――?!そ・・・そりゃあ〜まづいんぢゃねえですかい??

 

ヨ:(フ―――・・・)バカ者、よく見てみるがいい。

  その要請状は、我が手中にある・・・・

 

ド:あっ―――――ああ〜〜〜〜さいですねえ??

 

ヨ:ふうむ―――・・・・

  (さて・・・こいつをどう利用してやるか――――な)(ククク・・・)

 

 

〔“彼”―――という存在は、暴君を心の底から敬い奉っていた・・・。

それは―――サウロンが、過去に自分たちの種族<人間>に対し、どのような行為をしていたのか―――

それを知っていたにも係わらず・・・その陰惨たる暴虐に惚れ込んでいたのを、示唆していたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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