≪三節;庵からの返事・・・≫
〔そんな中―――時を同じくして、ガク州城にこんな客が・・・〕
誰:あの―――・・・すみません。
門:(ん―――?)あ?なんだ、あんた・・・
誰:いえ・・・こちらに州公様はいらっしゃるかと思いまして・・・。
門:ナニ?州公様に―――だと?
会いたいというのなら、事前に連絡はしてあるのかい。
誰:いえ・・・してはいませんけど、面識ならあります。
門:(怪しい女だなぁ・・・)
今、州公様はお忙しいのだ、お前みたいな奴にお会いなんぞするものか、帰れ帰れ―――!
誰:え・・・でも、州公様よりの信書が届きましたので、そのご返事を―――と、思い、来ましたのに・・・
門:なヌ?!州公様よりの御手紙とな??
ウソを云え―――!州公様がお前のような者に御手紙をお出しするものか―――!
〔その・・・ガク州城に来た者とは・・・淡い紫蘇色の髪を、後ろで一つに括り、
眸もほぼそれと同系色をし、服飾は民とそう変わらないものを羽織っていた・・・女性・・・だったのです。
そこで、ここの門番の者と少々やりあいになるのですが、中々こちらの意図は汲んでもらえず、半ばあきらめかけていたところに、
今度はこの人物が加わる事となり―――〕
キ:どうしたの―――
門:あっ、これは州司馬様・・・今お戻りで??
いえ、この女がね―――
キ:(ぅん?)あら・・・誰かと思えば―――ユミエさんじゃない。
ユ:その節は―――(ペコリ)
門:(えっ??)てぇっ?!! 司馬・・・様・・・と、お知り合い・・・??
キ:そうよ―――で、あなたが来ている・・・と、いうことは。
ユ:はい・・・件のお手紙のお返事―――と、いうことで・・・
キ:そう―――では、私が直接案内しましょう。
〔門番と、ある女性が言いあいをしている最中―――どうやらウエオブリに使いに出ていたキリエが戻ってきたようです。
そして、キリエがその女性を改めて見たところ・・・それはあのユミエだったのです。
その事に、例の信書が届き、その返事を信書ではなく、お使いの者を通して・・・と、キリエは思ったのですが―――
それはそうと、州公・アヱカに会ったユミエは・・・〕
ユ:どうも、ご無沙汰をいたしております―――(ペコリ)
ア:ユミエさん・・・と、いうことは、庵の主の“典厩”と呼ばれる方がお戻りになられたのですね?
ユ:―――――・・・・はい。
それよりも、先生の中字(なかあざな)を知っておいでになるなんて・・・
ア:ええ―――それは、ノブシゲと言われた方からお伺いを致しまして。
ユ:そうでしたか―――弾正様から・・・。
では、改めて申し上げを致します。
近日中にあるお方が庵に参るので、州公様さえよろしければ、庵に来られてはいかが―――でしようか。
ア:(やはり・・・)ええ、それはもちろん―――すぐにでも伺わせていただきます!
ユ:――――・・・然様ですか・・・それでは早速参りましょう・・・。
〔中々会えずにいた憧憬の人に―――それが戻ってくるとの報せを聞き、
アヱカは殊のほか喜び、すぐにでも会いたいと即答をしたのです。〕
―――が・・・・―――