≪四節;『禽』二羽・・・≫
〔それはそれとして――― 一路竹林の庵に、馬車で向かうアヱカとキリエ・・・と、ユミエが―――〕
ア:(ああ―――・・・ようやく、ようやく会えるのですね・・・。)(ウキウキ・ワクワク)
ユ:(・・・どうしよう―――この方、今、タケル様に会えるものと思っているわ・・・
やはり、本当の事を言ったほうが―――でも、それだと・・・)
キ:・・・・あの、ユミエさん?顔色が優れないようですが―――どうかされたんですか?
ユ:えっ?あっ―――いや・・・その・・・なんでもない、です。
〔ここに来て、急に口が鈍くなるばかりか、どこか余所余所しげな素振りが、態度となって現れてくるユミエ・・・
どうしてなのでしょう―――?
それは―――・・・
それは、これから起こる事に、関係があったから―――かもしれません。
そうこうしているうちに、件の庵へと到着したアヱカにキリエにユミエ・・・
すると、この三人を迎え入れたのは―――〕
ラ:あっ―――お姉ちゃん達、いらっしゃい。
ア:はい、どうも緒で迎えご苦労様・・・ラクシュミ君。(ニコ)
ラ:うん―――
あっ、ユミエお姉ちゃん、お帰んなさい。
ユ:お留守番、ご苦労だったわね―――ラクシュミ。
キ:(ふ・・・実に仲の良いきょうだ・・・)ん??
あの女性は―――・・・
〔そこにいたのは、以前からもよく会っており、アヱカ・キリエ共に面識のある・・・
そして、この時に供をしていたユミエの実弟でもある、ラクシュミ少年。
――――と、今までにも見た事もない、女性が一人・・・いたのです。〕
誰:(ス――・・・)どうも―――お初にお目にかかります・・・
ア:あの―――あなた様は?
誰:これは申し遅れました―――
レ:(レイカ;ご存知、『十章』に既出のあの人。)
私は―――ユミエさんの知り合いで、レイカと申する者です。
故あって、この人が庵を空けている間、その代わりを務めるよう、申し付けられた者・・・。
キ:・・・・“お知り合い”と、言ってたけれど・・・どういう関係の方―――なのです?
ア:キ・・・キリエさん―――
レ:・・・もちろん、“友人関係”ですけれど―――
キ:・・・そうでしたか―――。
どうもつかぬ事を聞きました、どうぞご無礼はお許しになられていただきたい―――(ペコリ)
レ:いえ―――・・・こちらこそ・・・・(チラ)
ユ:――――(コク)
レ:では、庵のほうに案内いたしましょう、こちらです―――
〔それは―――金色の髪に、スカイ・ブルーの瞳・・・そして一番の特徴があったのは、
伝説上の鳥『鳳凰』の尾羽を模したかのような、その髪飾り・・・名をレイカ―――と、名乗った者だったのです。
ですが・・・紛れもなくこの女性こそは、ユミエと同じく『禽』の一羽・・・=鳳=のレイカだということ。
でも、どうして、この人物が今ここに――――??
そして―――アイサツを交わすのもそこそこに、本懐である件の人物『典厩』に会うため、
庵の中へと入っていったのです。〕