≪二節;返信状≫
〔一方そのころ・・・こちら、ガク州に戻ってきた、州公・アヱカは、
以前使いを出していた、ウェオブリからの使者と接見をしていたようです。〕
ア:ほう―――司徒・イク殿からこの書状を?(来たか―――)
使:はい―――こちらのほうに、本状を授かっております。
ア:ふむ―――どれ・・・
〔でも、それは紛れもなく、数日前にキリエをして相談を持ちかけたことの、=成果=が記されたものでした。
そう――― 一度、フ国全土の全ての州の統治者を、首都であるウェオブリに集め、
これから先、各州とも連携を深めていき、本国を護っていこう―――と、いうことを話し合える場を設けること・・・
そのことの成果が記されたものが、この返信状だったのです。〕
ア:(フフ・・・)あの後、すぐに各州に信書を宛てられ、須らく良い返事をもらえた―――と・・・
使:はい・・・それから、ガク州公様には、いくのほうから“別状”が添えられてございますれば・・・
こちらになります―――
ア:ほう―――どれ・・・
これは―――
使:はい、御覧のように、上段に記されておられる方が、今回の事に積極的な方々・・・
ジン州―――ギ州―――チ州公にございます。
それから・・・下段のレイ州―――シン州公におかれては、比較的積極的ではない―――・・・
ア:――――・・・。
〜ビリビリ〜
使:ああっ―――な、なにをなさいます?
ア:・・・この『別状』、私は見なかった―――そう、イク殿には伝えておくように・・・
使:し、しかし―――・・・
ア:これから―――膝を交し合い、真摯にこの国の行く末を案じようとしている時に、
このようなものを目にしてなんになろう―――?
私は・・・こういう大事な取り決め事をする前に、おかしな先入観を持って事には臨みたくはない、
申し訳ないが―――・・・
使:は―――はあ・・・
〔あのあと―――キリエが、アヱカの提案を、セキとイクの両名に持ちかけた後、
イクはすぐさま文章にし、『都・ウェオブリにて、全州公による会議を開催する』旨を、各州に向け、配信したのです。
それから―――数日を待たずして、『各州公出席』の報を受け、思わずも顔がほころぶガク州公・アヱカなのですが―――・・・
ところが、アヱカには、“別添え”でもう一通・・・イクよりの書状があったのです。
ですが、そこには・・・今回の事に、積極的な者と、比較的そうでない者―――の、名が・・・
それを見た途端、アヱカは、その書状を、使者が見ている前で破棄して見せたのです。
しかし―――それは、これから重大な事をする前に際し、余計な知識は要らない・・・とも思っていたことでもあったようです。〕