≪五節;異彩を放つ者≫
〔そして―――今の今まで、ずっと固く口を結んでいた者から、こんな言葉が・・・〕
コ:――――来られたようだぞ・・・。
ソ:えっ―――?
キ:なんだと―――
テ:(来たか―――)
カ:(この方が―――)
〔この五名より―――遅れてくること二刻あまり・・・
しかし、その者の姿は、今まで民達から多大な搾取をしていたところからは、
考えようも出来ないほどの質素なものであり―――
けれど、その身から滲み出ている気品というか、神々しさは、
それを打ち消して、まだなお余りあるモノだったといえるでしょう。
そう―――今、遅れて入ってきた者こそ・・・〕
ア:どうも―――申し訳ございません。
遅れて参るつもりはなかったのですが・・・
ソ:(こ、この方が・・・新ガク州公??
た―――只者だとは、なんとも失礼な事を・・・この方こそは“只者”などではない―――いや、むしろ・・・)
カ:(この方が・・・イク様のいわれていた・・・
それにしても、ナゼにこのようなお方が一つの州などに??
・・・どうやら、我等は滅亡の道を歩み始めているのかもしれませんね―――)
コ:(大きい―――見掛けは小さい形(なり)に見えるかも知れんが・・・
その大きさ・・・ここにいる我等―――その全てを合わせてでも、埋め合わすことなど出来まい。)
テ:(ははあ―――この御仁か・・・一体どんな人物像かと思っていたが・・・
だが―――これでオレの進むべき道も決まった・・・と、言うところだな。)
キ:(こっ―――・・・この小娘が・・・?
み、認めたくはないが―――ボウ様の手引きがなかったら、そうならざるをえなかった・・・と、言うところか―――)
〔『初めのうちはごく小さかったのに、やがて家族の誰よりも容易に大きくなる。』
その云われの通り、アヱカに一目触れた途端、その場にいた全員が彼女を認めざるをえなかったのです。
ですが―――彼らが、そんな反応をしてしまったことで、こちらは・・・〕
ア:あ、あの〜〜―――
ソ:はい、なんでしょう―――
ア:こ、こちらでございますよね?州公様たちの会議が行われるの・・・
コ:―――そうでござるが・・・
ア:ああっ―――(ビクッ!)す、すみません・・・
コ:(は・・・)はぁ?
ア:いえ・・・あの―――その―――・・・
コ:(??)
テ:(フフ・・・)ギ州公、そなたの強面(こわもて)が、ガク州公を怒っているのじゃあ―――と、いうのではないのかな?
コ:はぁ―――それは相すまぬことを・・・ですが、生来からこの顔つきなもので―――
ア:あっ―――いえ・・・こちらこそ、ごめんなさい・・・。