≪四節;今回の戦略≫
〔そうこうしているうちに―――作戦会議が開かれ、
今度はどういった作戦で撃退をするか・・・・が、話し合われているようです。〕
長:(兵長;兵卒達の一階位上、副将であるヒの一階位下。)
ふぅぅ〜〜―――む・・・これまた、大挙して押し寄せてきましたなぁ・・・。
長:一万余り―――・・・! それに比べ、我がほうは・・・
長:あのときより有志を募って、二千にはなったものの・・・
長:兵力差は約五倍―――か・・・
〜〜――わいわい・がやがや――〜〜
〔―――しかし・・・またも圧倒的な兵力差に、州軍内部では、早“諦めモード”に、なりかかっていたのです。
でも、そこへいくと、この男だけは・・・〕
ヒ:うるッせぇ―――!
ヤリもしねぇうちから、うだうだぬかすんじゃねぇぜ!! ここはオレラの踏ん張りどころだろうが!!
長:しかし・・・ヒ殿、前回のは、まだお互い兵数が少なかったから、
我がほうも負傷兵一人を出しただけに留まれたのですぞ―――
それを、今回の・・・では、むしろ死者を出さないことのほうが難しくはありませんか?
ヒ:・・・・殴り合いってのはな、絶対どっちかが傷つくんだ・・・
それがイヤなヤローは、今ここには必要ねぇ!! とっとと出て行きゃあがれ―――!!
この戦、オレ一人だけでも十分だぜ!!
キ:(はぁ〜あ・・・全く――― 一体そんな自信、どこから出てくるのやら・・・)
虎鬚(こぜん)殿―――少し待ちなさい。
ヒ:あ゛あ゛?!だけどよう―――・・・
キ:大体―――あなた一人で、どうやって“万”からの敵を相手に出来るというの、
ここは、皆で一致団結して、コトに臨むのが最善なのでしょう。
ヒ:(チェっ―――)分かってるよ―――分かってッけどよう・・・・
キ:それに・・・諸兄のほうでも、戦う前から気弱にならないで―――士気にも関わりますから。
長:はぁ―――・・・
長:申し訳ございませぬ――――
〔やはり―――と、いおうか・・・決定的な打開策が、何一つ見えないまま、時間だけが刻々と過ぎていき・・・
このままだらだらとしていたのではいけない―――と、思ったキリエは、ここで一旦休憩を入れ、
改めて意見を交わそうとしたのです。
そして―――彼女自身・・・自分の個室に入り、何かに向かって瞑目する姿が・・・
やがて、休憩の時間が終わり、また、三々五々作戦会議室に集う兵長たちとヒ―――
それから、最後にキリエが入室をし、作戦会議が再開されるのですが―――・・・〕
キ:・・・・さて、一息入れた事ですし、何か新たな作戦でも練れたことでしょう・・・
あれば、なんでも提示してみて下さい―――
長:――――・・・。
長:――――・・・。
長:――――・・・。
キ:・・・ひょっとして―――“ない”のですか??
長:・・・・残念ながら―――
キ:(ふぅ〜・・・ここまで―――とは、ね。)
では、仕方がありません、不肖の私の案でよければ・・・
長:(ほぉ・・・・)
長:(なんと・・・)
ヒ:――――・・・。
キ:但し―――これはかなりな大博打になります。
各軍団の連携が取れていないと、最悪州軍全滅―――と、言うことになりかねません。
そこのところ・・・よく肝に銘じておいていただきたい―――!
〔五倍からの兵力差・・・それに怯えきってしまっている兵長連中を、叱咤激励する意味でも、
まづ自分が動かなければ―――と、そう感じていたキリエは、自ら作戦の一つを提示してみたのです。
ですが―――・・・これは、彼女自身の言葉の中にもあるように、“かなりな大博打”・・・
互いが連繋を取れあわなければ、『全滅』の憂き目にも遭う―――その言葉に、大きなどよめきが起こる中、
州司馬であるキリエが提示した作戦とは―――・・・〕