≪四節;攻略の手段≫
〔そこで―――カインの頭の中で描いていた戦略が、白日の下に晒される事になったのです。
では・・・その戦略―――とは・・・〕
カ:まづ・・・ここに詰めている兵全てを、もう一つ隣りの―――ハイネス・ブルグの“タワラメント”へと行軍させる・・・。
長:はぁ゛?!
長:へぇ゛?!
長:カ―――カイン殿・・・お主、まさかそれを本気で―――
カ:(フフ・・・)無論―――これは向こうさんを、そう思わせる・・・ための囮だ。
だが、向こうさんに“強く”そう思い込ませるために、広く“流言”させる―――これが第一にしなければならないこと。
長:おお―――・・・して、本当はどう動かせるので?
カ:それはなぁ―――?(ニヤリ)
〔なんとも―――そこでカインは、全く的外れのこと・・・『ハイネス・ブルグのタワラメントへ行軍する』と、言い放ったのです。
ですが、それは勿論、囮の行軍・・・・では、本心はどこへ―――?
ここで明らかとなった、カインの策の概略が、以下の通りだったのです。
@―――“列強”ハイネス・ブルグの、前線基地の一つ、『タワラメント』へ、『ビャクテイ』に詰めている兵全てをつぎ込む・・・
と、いうことを、広く・・・つまり、敵味方を問わずに流言する。
A―――本当に『タワラメント』に向けて行軍をする。(そうすると、当然の如く『ビャクテイ』は無人の砦に・・・)
B―――しかし、行程半分までで、そこから隊を四つに分ける。
C―――クー・ナの軍、本当に全軍出撃したものと思い込み、『チンソー』に集結する。
D―――この間に、カイン率いる隊は『チンソー』に・・・
兵長aは『サヌキ』に・・・
兵長bは『イナバ』へと向かう。
E―――このとき、兵長c率いる別働隊も『ホウキ』へ・・・・
F―――クー・ナの軍、『チンソー』に集結した後、大挙して『ビャクテイ』になだれ込む。
しかし、砦は無人なので、一時的に『ビャクテイ』は、クー・ナ軍に奪還される。
G―――そして、このとき・・・ほとんど同時刻に、カ・ルマの四隊が、『イナバ』『サヌキ』『ホウキ』『チンソー』を襲う。
当然、クー・ナ側は、このことを想定していないので、四つの砦は無条件降伏をし、
ここに“三拠点”並びに“三大兵糧庫”の一つは、事実上陥落したこととなる。
H―――そのことをようやくにして気付くクー・ナ軍は、兵站線の切れたまま『ビャクテイ』に篭城する事を決意する事となる。
そう―――ここまでが、カインの描いていた策略・・・
――抗を掘って虎を待つ――
しかも、カインの頭の中には、まだこの後が存在していたのです。〕