≪三節;“リッチー”の『アーティファクト』≫
ビ:しかし―――ガラティア様・・・。
この空間の維持と、あの“偽”の存在を維持するために、あなた様の持ち物・・・
<アーティファクト>『ユニバース』を割いてもよろしかったので?
シ:(フフフ―――・・・)『ユニバース』・・・【宇宙】・・・か―――大した名前だよねぇ・・・。
所有者本人は、こんな事にしか使い道を知っちゃあいない・・・と、いうのにさぁ。
ビ:・・・・ガラティア様―――
シ:(フ・・・)ま、いいだろう―――
第一、あのガラクタにゃ、人工AIを組み込んでるからねぇ。
いざとなったら、こっちでもコントロール可能にしてるしさ―――・・・
今なら、『ダンシング・オブ・ヤスーキ』やらせることだって、そう難しくないよ。
ビ:(うぅ〜む・・・)ガラティア様―――そう、成されるのは、あなた様のご自由ではございますが・・・
“話”の流れ〜〜と、いうものも・・・
シ:あぁ〜〜あ、そうだったね―――☆
悪い悪い―――
ビ:(はぁ〜あ・・・ヤレヤレ―――)あの方が・・・胃潰瘍になられたのも、よく分かる――――(ボソ)
シ:ンン〜〜?なんかいったかぁ〜い?
ヒ:(ギク!)い・・・いえ―――こちらの事で・・・
シ:まぁ―――・・・しかしさぁ〜〜・・・
あのデルフィーネのヤツが胃潰瘍になったのも、アレはあいつが根っからの心配性で、
しかも、妹想い―――だったんだからねぇ〜♪ 仕様がないよ―――
ビ:き・・・聞こえていたのですか―――(相も変わらず、お人のお悪い・・・)
〔その―――“総てを識りし者”“死せる賢者”の・・・“神々にしか扱えぬモノ”<アーティファクト>の名は、
{万物創造}の源であるという―――【宇宙】を冠した『ユニバース』・・・。
それが自分の“認識”<グノーシス>である事を知っていたリッチーは、このアーティファクトが持ちうる能力(チカラ)を、
破壊などの暗黒面に使用するのではなく・・・もっと大切なあることに・・・
それは―――・・・
約100万年もの昔―――自分たち三姉妹が、ある目的でこの『蒼き天体』に飛来をしたとき・・・
ほんの少しの手違いで、『旧世界の文明』を崩壊させた・・・その罪滅ぼしのために―――
その“大地”“大気”“水質”“火焔”・・・総てが『猛毒』によって穢されてしまい、
元の状態に戻るまでの半減期で、二億四千万年かかるところを、自分のアーティファクトを使い、
その『猛毒』を須らく吸い上げ、また一からやり直しをした・・・・
その過程で出来た生物も中にはいた―――・・・
けれども、なるべくなら、元の遺伝子情報から作り直しを―――とも思っており・・・
しかし――――その『猛毒』は、生物たちの遺伝子をも蝕んでおり、結果・・・
他の惑星の生物の遺伝を、混ぜ合わせざるを得ないことになってしまった・・・・
それこそが―――自分の“贖罪”・・・。
だからこそ、自分は『空間のよどみ』に身を貶め、姉妹たちとまた喜び合える機会を願っていた・・・
なのに―――・・・
10万年という年月から目を醒ましてみれば、自分や姉妹たちを取り巻く環境は一変しており、
かつての・・・自分の愛弟子が、自分の妹を苦しめていると聞き及び、
ならば―――・・・と、いうことで、その者の傘下に入ったフリをした・・・
そして―――今やその願いが叶い、“愛弟子”であった『魔皇』が、この場所に捉われていたとき・・・
やはり、刻を同じうして、コキュートスの玉座に鎮座している存在が、このリッチーのアーティファクトの能力(チカラ)の一部を使用し、
周囲(まわ)りを欺けている・・・と、いうことだったのです。
ですが―――以外にも、死せる賢者様の無邪気な発言に、
『よもや丞相閣下が、永い間患っていた原因が、この方にあったのでは・・・』
と、思うのですが―――
高弟<ハイ・ディスクリプト>の主でもあり、師<マスター>でもあった者からは、
『それも一理あるかもしれないけれど、それ以上の心的過労が重なってしまっていた。』
―――と、その原因を述べたに留まっていたのです。〕