≪三節;使者≫
〔それはそれとして―――タケルを獲得できた事で、意気揚々としてガク州城へと戻ってきたアヱカ。
しかしそこでは、意外なものからの使者が、すでに待ち構えていたのです。〕
官:ああ―――どうやら帰って来られたようですぞ。
ヨ:(ヨウ=カン=プレストン;32歳;男;この度、ある方からの要請で、ガク州に赴いてきた使者。
しかし、この者の胸に含んでいるところは、そればかりではないようではあるが・・・?)
然様ですか―――・・・。
官:州公様―――
ア:うん?なんだろう――――おや、そちらの方は・・・
ヨ:(ス・・・)私は―――この度、王后・リジュ様の要請で、ある事を伝えに参りました。
元は尚書台で郎中を務めておった者です。
ア:・・・尚書台の―――それで王后様より、私宛てに、なにを言伝かっておりましょう。
ヨ:そのこと・・・今は―――(チラ)
ア:・・・そうか、ならば、君はご苦労だったね、下がって構わないよ。
官:は・・・では失礼いたします。
ア:だが、タケル―――君は私と一緒に来てくれないかな。
どうやら早速ながら、相談をしなければならないようなことになってしまったからね。
タ:そういうことなれば―――・・・。
〔初めに―――その使者は誰からの使いの者であるか・・・と、元の所属の省庁と官職名を、その場で明らかにしました。
それから本題に―――なのですが、それがどうも他人には聞かれたくないようなことであるらしく、
しかしアヱカもそのことを見抜き、傍にいた州官を去らさせたのです。
でも、アヱカは、その使者を派遣した者と、元々の所属の省庁―――その事を知っただけで、大方の事を把握し、
タケルだけは、この場に居残るよう、命じたのです。
そして―――使者・ヨウの口からは、重大な件が・・・〕