≪四節;正に清流の如く―――≫
ヒ:う―――おっ・・・な、なんだい、こいつは―――
キ:(し―――信じられない・・・)
〔そこでは―――州公の間を利用して、溜めに溜まっていた訴状を解決していく州丞の姿が・・・〕
タ:―――ふむ、それはお主が悪い、
彼にいくらかの損害賠償をしなさい。
―――次は・・・甲だな。
お前の罪は許せん、笞打って離せ―――
―――次の乙は・・・家族同士の争いか。
家族というのは助け合わなければならないものを・・・
こんな揉め事を起こすとは―――
こうこうして、仲直りいたすように―――
ヒ:(な―――なんて野郎だ・・・まるで・・・人の流れが―――川の清流のように・・・)
キ:(この―――裁きの在り様・・・あの方―――丞相閣下そのままじゃない!!)
〔その二人が驚嘆した事―――それは・・・日頃怠惰にしていたこの者が、いざ務めを果たすとなると、
その人物評通り、―――清流の如く―――のやり様を、見せていたからなのです。
しかも―――そのやり様も、適当に賞罰を与える・・・と、いうものではなく、
迅速且つ簡潔―――訴える側も、訴えられる側も、彼の解釈させんとする理の中にはまり、
皆、得心が行っていたのです。
そして―――さらには・・・〕
キ:(ああ――――ッ!!)あ、あれは・・・確か“伍刻待ち”の―――
でも、まだあれから 参刻 しか経っていないじゃ―――・・・
ヒ:あんだってぇ〜〜―――? んな・・・バカな!!?
〔暫らく―――キリエとヒは、タケルの裁きの在り様を見ていました・・・。
すると・・・暫らく―――そう・・・ここへ来る途中、この行列がなんなのか―――を聞いた民が、
もうすくそこに見えていたのです。
あの時は―――周囲りの者の憶測により、『伍刻待ち』とされていたモノが・・・
“暫らく”―――『参刻待ち』に短縮された事実を知った事により―――・・・
アレほど山積みとされていた、民からの訴えは、
なんと―――昼過ぎには、あますことなく、その総てが片付けられていたのです。〕