≪七節;―――実態を見せない“影”―――≫
〔そして―――これからの方針を定め置くために、タケルは、キリエとヒをある地点まで誘(いざな)ったのです。
そこは―――ガク州城近くの林の中・・・〕
ヒ:おっ・・・おいぃ〜〜―――なんなんだよ、こんなさびしいところに連れてきて―――
キ:(ぅん―――? 誰か・・・いる??)
タ:――――もういいだろう・・・出てきなさい。
サッ――― ササッ――― ササッ―――・・・
禽:――――・・・・。
禽:――――・・・・。
禽:――――・・・・。
禽:――――・・・・。
禽:――――・・・・。
ヒ:(う・・・おっ―――!!?)こっ―――こいつら一体どこから・・・??
キ:(ああっ―――)あ・・・あなたたちは!!
〔キリエやヒに、その気配を気取られる事なく、主であるタケルの近くに姿をあわした五人・・・
しかし―――キリエは、確かにその中の二人を見知っていました。
あの時は―――まだ庵に引き篭もっているタケルを訪ねるべく、その足を重ねていました・・・
そんな折―――自分と、主の州公乗り合いの馬車を、襲った者がいた・・・
それが―――=鵺=のユミエと、=鳳=のレイカだったのです。〕
鵺:フフ―――また会いましたね・・・州司馬・キリエ様。
鳳:――――・・・。
ヒ:はぁあ゛?? 司馬殿―――あんたこいつらの事、知ってやがったのかぁ??
キ:ええ―――でも・・・とはいえ、この二人だけ―――
他にも、こんなに仲間がいた・・・なんて―――
鵙:(にッへへ〜〜♪)ウスっ―――☆
雉:お初です―――(ニコ)
梟:よろしく―――
ヒ:しっ、しかし〜〜―――なんだか場違いなのが一人いるよなぁ・・・
雉:(クス)あら―――それは私の事ですか・・・?
ヒ:あ―――ああ・・・だってよぅ〜〜見るからに線が細そうで―――・・・
梟:(へへっ―――)ダメだよ・・・そいつの見かけに騙されちゃ―――
鵙:ダヨネ〜〜―――☆
雉:お頭―――・・・マキ・・・随分な云い様じゃあありませんか。
鳳:でも―――私だってそう思うもの〜〜。
雉:ちょっ〜〜―――レイカまで?? もぅ・・・。
鵺:(フ・・・)馴れ合いはそこまで―――タケル様・・・
タ:うむ―――どうやら時期が来たようなのでな、これから手筈通り動いてもらうぞ。
まづ―――ユミエとナオミの二人は、その走力を持って、これからジンとギの州都へと飛んでくれ―――
梟:―――かしこまりました。
鵺:―――御意。
タ:そして―――シズネとレイカは、ワシと共に行動をするように。
雉:は―――
鳳:はいっ―――
タ:最後に・・・マキだが―――
お前は、以前にいた東方に赴き、かの地にて展開されるであろう、状況のみを報告しろ。
鵙:ほ〜〜――――い☆
タ:いいか―――呉々も云っておくが、“状況のみ”だぞ。
鵙:わ・・・判ってるってよぅ〜〜―――
鵺:あんたが・・・生返事だから、タケル様も念を押していっているのよ。
タケル様―――・・・
タ:いや―――ダメだ。
お前は、これからもまだまだやってもらわねばならない事が多々ある。
ゆえに―――ナオミ共々、その任務を全うしたなら、次の任地へと赴いてくれ―――
〔=鵺=ことユミエは、その性格上切り替えが早いからか、案外自分の正体が知られても、さっぱりとしていました。
けれども、そこへいくと=鳳=のレイカは、多少なりとも後ろめたい事をしたからなのか、
バツが悪そうに、キリエのほうには向きにくい様子だったのです。
それはそれとして―――改めてその組を見ていると、明らかに場違いな者・・・
どこかたおやかであり、あの州公・アヱカを髣髴とさせてしまうような麗人・・・=白雉=のシズネを見るにつけ、
ヒはどうしてもそのことが不思議でならないようです。
しかし―――おしゃべりしている時間もそこまで・・・と、言わんばかりに、=鵺=のユミエが締め、
そしてここで、改めての『禽』各自に下された任務を胸に・・・また彼女達は新たなる任地へと赴いて行ったのです。〕
To be continued・・・・