≪三節;推挙状に連ねたる名前・・・≫
〔明らかに不当な仕打ち―――に、ほとほと頭にきていたゼシカ・・・なのですが、
正体を明かせて見れば、まだ年端もいかない女の子供が二人・・・
それを見たゼシカは、“こどもの悪戯ならば仕方がないか・・・”と、そう思うようになり、
やがて、懐からハンカチを取り出して――――〕
ゼ:(はァぁ〜〜・・・ヤレヤレ―――)
ほら・・・これで洟(はな)と泪を拭きなさい―――
コ:・・・・あい゛―――(びいぃ〜〜ん)
乃:・・・う゛みゅ―――(びいぃ〜ん)
ゼ:(・・・ホントはこっちが泣き出したいくらいなのになぁ―――・・・)
―――ところで、あなたたち、ここで何をしていたの?
コ:―――えっ? あ・・・あたちたちは・・・
あたちたちは、ある方からのご命令で、このドルメンを悪い人たちから護るよういわれたンですみゅ!
ゼ:(わ―――悪い人“たち”って・・・それって、私も入ってるんだろか・・・)
あ゛〜〜―――・・・それは大変ねぇ・・・。
でも、おねえちゃんは、そんな人たちとは違うからね?
乃:・・・・でも、さいしょにはいってきたひとたち、みんなそういう―――
ゼ:あ゛〜〜―――そう・・・・。
(なんだかこのまんまの展開だと、私も必然と“悪い人たち”の仲間入りしちゃいそうだなァ・・・)
あ、そうだ―――私、ある方からの推挙状を携えているんだけれど・・・
コ:ほえっ?! 『推挙状』? 誰からのでし―――?
ゼ:・・・・この方からの―――(サッ・・・)
コ:(カサ・・・)――――・・・・。
ゼ:(と、云っても判るわけないか―――二人とも・・・まだ子供なんだしねぇ・・・)
コ:・・・ああ〜〜―――っ! これ・・・大尉・驃騎将軍様からのみゅ〜〜!!
乃:え・・・うしょ―――
コ:ホントだよ!乃亜!! ほら・・見て―――ここの・・・最後の署名のところ!
乃:ホ・・・ホントた―――
ゼ:(あら―――判った・・・て、いうか、大尉・驃騎将軍―――って、誰の事??)
〔ぐずり始めていたいと小さき存在―――その二人をなだめたゼシカは、この小さな姉妹が、どうしてこのドルメンにいるのか―――と、尋ねてみたところ、
彼女達は“トレジャー・ハンター崩れのシーフ達から、この遺跡を護るためだ”―――と、応えたのです。
でも、自分には元からそんな意思などない―――と、ゼシカは弁解するのですが、
それを訊いた小さなガーディアンたちは、“悪い連中は、初めはそう言い訳する”と応えた・・・
そのおかげで、返答するのに窮してしまったゼシカは、とある事―――“推挙状”の事を思い出し、
近日に会った、ある方から授かったモノを見せることで、何とか誤解を解こうとしたところ―――
すると・・・実は、その“ある方”とは、この小さな二人の姉妹にとっても“大いなる存在”であったらしく・・・
その推挙状の最後に記されている・・・古代の、エノク文字―――その意味で≪焔龍≫と、記されてある・・・
=プ・レイズ=
このことで、この女性―――ゼシカが、自分たちの時代に『大尉・驃騎将軍』といわれた方からの推挙状を携えている・・・と、いうことは―――??〕
コ:ご―――ごめんなさぁい! あ・・・あたし―――てっきり悪い人たちかと思っちゃいました・・・みゅ。
乃:・・・ごめんちゃい―――みぅ。
ゼ:いいのよ―――分かってくれば・・・
あ、私は―――ゼシカ=ノーム=ヴェスティアリ。
今後とも宜しくね?小さなガーディアンさん。
コ:・・・えっ?? い―――今・・・なんていいましたみゅ??
ゼ:えっ?ナニ? 今後とも宜しくね・・・って、言ったの。
乃:・・・ちがう―――あなたの・・・おなまえ・・・
ゼ:えっ?! ゼシカ=ノーム=ヴェスティアリ―――だけど・・・
コ:(ヴェスティアリ・・・)ニルヴァーナしゃんの??!
乃:にるしゃんと・・・おなじなまえ―――
ゼ:(え?!!)は・・・母の名前を―――どうしてあなたたちが・・・!?
コ:あ・・・あたしと―――ニルさんと・・・同じ―――
ゼ:(ええっ??!)
〔自分たちが撃退させようとしていた存在は、自分たちよりも階級が上の者からの推挙状を携えていた・・・
そのことは正当ではなかった―――と、速やかに陳謝の言葉があったのですが・・・
この女性―――ゼシカの本名を知ることにより、ここに新たなる関係が築き上げられる事となった・・・
―――と、いうより、ゼシカの母とは古えからの知り合いだ―――と、その小さな存在たちはいうのです。〕