≪六節;悲愴なる報告会≫
〔それとはまた別の話題で―――
王都・ウェオブリの、とある酒場・・・その二階にて、
今までの各情報を持ち寄り、主人であるタケルに報告する『禽』たちが・・・
しかし―――〕
タ:それで、何か判ったことは・・・
マ:クー・ナが・・・この度・・・滅亡しました―――
レ:どうしたの、マキ・・・いつもは明るいあなたが―――
マ:あたし・・・今でも信じらんない―――(ググッ・・・)
あの・・・あの・・・ヒヅメちゃんとギャラハットさんが―――自分たちの国を攻めてるなんてっ―――!!
シ:・・・と、いうことは、裏切り??
ナ:だけど―――それにしちゃあ犠牲は少なかったようだよな・・・
ユ:それにしても、よく我慢したわね―――
“情”に流されず、その場に踏みとどまれた・・・なんて―――
マ:ううっ〜〜〜うぅ―――・・・(ポロポロ)
あたしだって―――あたしだって・・・本当は飛び出して“どうしてか”って聞きたかったよ・・・
けど―――けど―――!!
ユ:・・・主上―――
タ:ふぅむ・・・おそらくは、その国でも一・二を争うほどの武の持ち主が敵として現れたことで戦意が喪失・・・
そのギャラハット某という将も、今まで味方だった者達と、刃を交わせることは本望ではなかったのだろう・・・
だ―――とすると・・・考えられる事はただ一つ、『無条件降伏』だ・・・。
シ:無条件降伏―――
タ:うむ・・・しかし、早々に大陸第一の穀倉地帯に目をつけるとは・・・
これからの戦―――相当に厳しくなるな。
〔その時点で報告された内容は、まさに衝撃的事実―――
“列強”の一つであるクー・ナ国が、元々その国の武将であった者―――ギャラハット=シャー=ザンフィル・・・
の、勧告に従い、都城・ハルナを『無血開城』したことで、事実上の滅亡・・・
また、それに伴い、ガルバディア1の穀物の生産量を誇っていた処は、これをもってカ・ルマの版図に加わる事になり、
これから何を行うにしても『食』を握られている―――と、いうことは、
軍事面・政治面においても、苦境に陥ってしまうという事を、示唆していたのです。〕
To be continued・・・・