<第四十二章;闇に差し込む一条の光>
≪一節;続・報告会≫
〔この大陸―――ガルバディアにある七つの“列強”・・・
そのうちの一つ クー・ナ が、カ・ルマの手を介して陥落(お)ちてしまった―――
このことは、すぐさまその他の“列強”の知りうるところとなり、
次第に各国とも“そのこと”を心配しなくてはならなくなった・・・
なぜならば、クー・ナがこの大陸随一の穀物の生産量を誇る処であり、
また、各国に向けての輸出量が半端ではなかった―――・・・
そう―――“列強”の『諸侯』も『民』も、いわば生命線を握られてしまっていたのです。
しかし、その後も『禽』たちの報告会は続き、その足をハイネス・ブルグに寄せていたナオミからは・・・〕
ナ:こちらは―――おそらく『クー・ナ』とほぼ同時期だと思うんだけど・・・
ハイネス・ブルグの<クレメンス>って砦が陥落した・・・。
レ:あそこが―――ですか? では、三将の方々は・・・
ユ:そういえば―――レイカ、あなたはハイネス担当だったわね。
レ:・・・はい―――けれど、あのお三方が、そう易々と敗れるはずなど・・・
ナ:“雪”“月”“花”の三人はよくやっていたよ。
ケド、その他はぐだぐだ、おまけに増援で現れたジュヌーンて人も討たれて・・・
レ:(ジュヌーン・・・)あの―――それ・・・って、イセリアさんの許婚じゃあ・・・
ナ:そうだったのか―――? 成る程なぁ・・・それで合点が行く―――
シ:―――どうしてなのです?
ナ:・・・その人物が討たれた―――との報を聞くに及んで、
一時的に“雪”の采配に乱れが生じたんだ。
それをかばうかのように、“月”と“花”の軍団がフォローに廻ってね・・・
あれは見事な連繋プレーだったなぁ―――・・・
シ:―――だとすると、防衛できたのでは・・・
ナ:問題はその後、その三将の軍が退いていったのと同時に、あっけなく陥落(お)とされたよ。
レ:そう―――だったんですか・・・
〔やはり、かの地でも、カ・ルマとの侵攻戦が―――
でも、ハイネス・ブルグの内外にまで知れ渡っている『雪月花の三将』総てが、その戦に参加し、
将を一人失うという損失はあったものの、その砦は何とか死守されたのです。
―――が・・・心に深い傷を負った、『雪』のイセリアをなだめたあと、思いのほか損失が大きかったため、
王都・ハイレリヒカイトに退き上げることを決定―――、
そののちに、主力を失ったクレメンス砦は、難なくしてカ・ルマの軍門に下ったというのです。〕