≪二節;不審者は、自分の主??≫
〔それから間もなくして―――城門をくぐった二人は・・・〕
紫:・・・全く―――どういうつもりなの?
ル:(はぁ〜・・・)それはこちらのセリフです―――
まさかとは思いますが、紫苑さんは今朝の私の一言で、“あの方”と会われようとしているようですが―――
どうして私が、あの一報を知りえたのか・・・そこのところは疑問に思わないので??
紫:(え・・・)“疑問に”〜〜―――って、それは、またあの=白雉=という人から・・・
ル:・・・まあ、それもありますが―――
実は・・・今朝の定期連絡を受ける際に、=白雉=から・・・
――報を持っていく間際に、長身で亜麻色の髪をした女性が、この城の衛兵に連行されているのを見かけた――
―――と、いうのを聞いて、私は“お帰りになられた”としたのです。
紫:そ―――そんな・・・“あの方”がこの城の衛兵に?? どうして―――・・・
ル:それもどうやら・・・当初には、麻の布を頭からすっぽりと・・・
―――で、城に向かってまっすぐ向かっていたところを、取り押さえられた様子で・・・
紫:(なんと―――・・・)あのバカ共が〜〜―――自分の主であるお方の顔を見忘れたのか??!
ル:ああ―――それともう一つ・・・どうやら左目を包帯で覆っていた様子で・・・
それで、衛兵達も“誰”であるのか判らなかったのでしょう―――
紫:(な・・・)ひ、左目を―――? すると、お怪我をしていらっしゃるというの??
公:――――さぁな・・・もしやすると、『変装』するのに、そのようにしておるやも知れぬ・・・。
ここじゃな―――
紫:(ん―――もうっ!)
〔紫苑は―――どういう理由であれ、自分についてくるルリに少し怒っていました。
でもそれは、自分ひとりで動けば、怪しまれずにすむ―――と、いう思いも、そこにはあったようなのですが、
その時語られたルリの告白に、紫苑はまたも感嘆せざるを得なかったのです。
それというのも―――その自分の主らしき人物は、この城の衛兵に、無断で入ろうとしているところを捕まえられ・・・
しかも、それ以前に、左目に包帯をしていると聞き、何らかの事故で負傷してしまっている・・・と、思ってしまったのです。
そこで、もう少し深いところを訊こうとしたところ―――ルリは、公主様の声を模するところとなり、
そのまま不審者の捕らえられている詰め所へと寄ったのです。〕