≪三節;取調べ模様≫
〔そして――――そこでは、ルリの云われの通り、
一人の不審な女性が、城の衛兵達によって、取調べを受けている最中なのでした。〕
衛:おいっ―――!
ナゼおまえは、オレが静止したにもかかわらず、城の中に入ろうとしたんだ!!
不:――――――・・・・・。
衛:ええい―――くそッ!!
あれから三刻余りも・・・このまま、だんまりを押し通すつもりか―――
不:―――――・・・。(ちらッ)
衛:・・・なんだ、オレを見たりして―――応える気にでもなったのか。
不:・・・・・ふん。
衛:(こ・・・・こぉ〜〜〜のぉお〜〜〜!##)
顔を見るなり笑いやがるとは―――・・・おまえ一体どういうつもりだ!!
〔どうやら、その不審な女性は、衛兵に取調べを受けているにもかかわらず、三刻余りも無返答で無反応であったようです。
そのことに、当然の如く業を煮やす衛兵なのですが・・・
でも―――その女性が“無反応”だったというのも、どうやら 何か を待っていたようで・・・
そこで、その 何か が来たのを、気配で察知したがゆえに、その女性はおもむろに衛兵のほうを見るなり、不敵なまでな笑みを浮かべたのです。
その“笑み”を―――あたかも自分をバカにしたかのように捉えた衛兵は、
この不審な女を打擲(ちょうちゃく)するべく手を上げたところ―――・・・〕
紫:諫議大夫・衛将軍・ヴァーユ=コーデリアである!!
当番の者は何処にあるか―――
衛:(え・・・?)あ・・・っ!! これは・・紫苑卿!! いかがされたのでありますか―――
紫:いや―――今未明(こんみめい)に、不審なる人物が捕らえられたと聞いたからな・・・。
それに、そのものが何者であるか・・・の報告も、未だ提出していないと聞く。
そこで―――私と公主様がここに出向いて来た・・・と、いうわけなのだ。
衛:ええっ・・・・??! こっ―――公主様までも・・・で、ありますか???!
不:(ピクっ!)
紫:・・・・いかにも―――
公主様―――お入り下さい・・・。
公:・・・うむ。
〔このとき―――タイミングよく入ってきたのは紫苑・・・
でも、衛兵は、多寡が不審な人物一人ごときのために、公主様の寵臣であるこの人物が出てきたことを、逆におかしく思ったのです。
―――が、しかし、この衛兵にしてみれば、紫苑は自分が足元に及ばないほどの、まるで雲の上のような上級将校であるからなので、
つまるところそういう封建的なことが先に来てしまったので、別段怪しんだりは出来なくなったのです。
でも、さらに驚いたことには―――
この国の純然たる支配者である『公主様』が、この寵臣と共に城の外に出、この場にいるということ・・・・
そのことに、衛兵も―――況してやあの不審な女でさえも驚嘆していたようです。〕