≪三節;台頭せんとするある悪意≫
〔これは―――その首謀者の邸宅にて・・・〕
ボ:(フフ―――フフフ・・・・ようやく時機きたれり・・・だ。
これからはこのオレの時代・・・・)
ユーミル・・・
ユ:――――こちらに・・・
ボ:われらは、今夜半に行動を起こす。
お前は先だって、ホウ王子の身柄を確保するのだ・・・。
ユ:そのこと・・・なのですが、あの王子の教育係となっている太傅はいかが致しましょう。
ボ:・・・あの女か―――
わが策で僻地に飛ばしたまではよかったが・・・かの地で点数を稼いで、いつの間にやら中央に戻ってきおった。
油断のならんヤツだが、所詮女の身一つでなにが出来るか。
それに―――もし抵抗するようだったらば、構わん、処分してしまえ。
ユ:―――ですが・・閣下、ここ最近このフでも=鵺=・=鵙=・=梟=などという、賊まがいが横行しているようなのですが・・・
ボ:ナニ―――? ふぅむ・・・・
大方、カ・ルマの乱波なのだろうが―――構わん、邪魔なようなら始末をつけてしまえ。
ユ:御意――――
〔この・・・好からぬことを企む者こそ、云うまでもなく 佞臣 の筆頭である、光禄勲のボウだったのです。
それに、早々とショウ王の政権に見切りをつけ、自分の妹の子であるホウ王子の擁立を目指し、
その日の夜のうちに行動を開始したのです。
でも、部下であるユーミルからは、この数ヶ月前に幼君の教育係として任命された、
太傅でありガク州公でもあるアヱカが障害となるのでは・・・と、危ぶんだのですが、
それをボウは『多寡が女一人で何が出来るか』と、一笑に付してしまったのでした。
しかし―――もう一つユーミルが気がかりとしていた事が・・・
それはこの国で、自分たちでも知らないうちに暗躍しているという『禽』の存在・・・
でも、そのことをボウは、『大方カ・ルマの乱波が、この国の内情を探るために動き回っているに違いない』ぐらいに思っており、
もし目障りになるようなら、太傅ともども消しておくように指令を出しておいたのです。〕