≪七節;火花散る―――マシラvs禽≫
〔その夜半―――闇の帳(とばり)が下りた王都の城にて、二つの思惑が交錯し始めたのです。〕
ユ:・・・よし―――お前たちもこの薬を使って、警備の者を沈黙させろ。
忍:かしこまりました―――
〔どうやら―――今のは、ボウの擁する忍の集団=マシラ=が、
今回課せられた任務―――ホウ王子の身柄を確保する事・・・を、遂行するべく、行動を開始したようです。〕
――――が・・・
忍:ギャッ――――
忍:ぐわ―――・・・
ユ:(ナニ?)どうした―――!!
フフフ―――・・・
ユ:(むっ・・・!)何ヤツ―――!
鵺:この辺りで、黒装束が何をしているかと思えば・・・・
(クン――)・・・成る程、眠り薬を嗅がせて、警備の無力化を謀ろうとは・・・・
どうやら―――バカではないようね・・・。(フフ・・・)
ユ:(く・・・)敵―――!
鵺:だ―――と、したら・・・?
ユ:わが主の悲願のため、滅する!!
鵺:その意気やよし・・・参れ―――!!
〔不意に、手下の者が何者かに倒された―――そのことを任務を阻む“敵”だと認識し、
自分の目の前に立ちはだかる者と、火花を散らすこととなったのですが・・・・
その“敵”は、思いのほか手強かった・・・
自分の繰り出す攻撃を、そのこと如くを封じられ―――
逆に、その“敵”の得体の知れない武器、『一角雷針』をその身に受けてしまった者は・・・・〕
ユ:うっ―――ぐぐぐ・・・
(ど・・・どうしたというのだ〜〜・・・この・・・小さな針――――
こんなモノが、身体のこの位置に立っているだけだというのに・・・う・・・動けない!!)
鵺:ふふふ――――・・・私の“針”を、その身に受けているというのに・・・
大した根性ね、賞賛に値するわ・・・・
ユ:な―――なんだと?!!
鵺:その心意気に免じ、特別お前には私の名を明かしてやろう・・・先を逝く者よ―――
私の名は―――=鵺=・・・。
ユ:な―――なに??=鵺=??
すると・・・キサマがカ・ルマの?!!
鵺:(うん?)何か勘違いをしているようだけど・・・私はやつらの手先なんかではないわ。
ユ:(なんだと?!)だ・・・だとすると、キサマは一体どこの――――
鵺:(フ・・・)残念だけど、おしゃべりはもうお終い―――ちょうど、仲間も戻ってくる頃合だしね・・・。
ユ:(仲間!!?)・・・・=鵙=や、=梟=のことか―――
鵺:(フン―――)お別れよ―――・・・
〔ユーミルほどの手練が、誰とも判らない存在に翻弄されたのはこれが初めてでした。
しかし―――それも無理らしからぬところ、
そう・・・なぜならば、その“敵”の存在が『禽』の実質上のNO2―――=鵺=だったのだから。
それに、=鵺=の一角雷針がユーミルの身体に付き立った場所も、本来ならば身体の自由を奪うツボ・・・
だったのにも関わらず、ユーミルは=鵺=と質問のやり取りをしていたのです。
そのことに驚きと賛辞を送るとともに、自らの名を明かした=鵺=・・・
すると、この名を聞き、すぐさまカ・ルマの乱波だと疑ったユーミルは、そうではないのか―――と問い詰めてみれば、
=鵺=なる存在からは、彼らとは一切関係はない、と・・・では、どこの―――??
しかし=鵺=からの返事はなく、次に仲間の事を聞き出そうとしたところ、
=鵺=の存在の揺らめきとともに、ユーミルの意識は遠のいていったのでした・・・。〕