≪二節;休息の樹の下―――にて・・・≫
婀:そのお隣り―――よろしいですかな。
ア:あ―――っ・・・(婀陀那・・・さん・・・)
タ:ええ―――どうぞ・・・
婀:では・・・失礼して―――
ふぅ〜・・・ようやく誰も邪魔立てされずに、おぬし等と語らいあいが出来る・・・・
ア:やはり・・・あなた様は―――
婀:妾は―――妾じゃ・・・前(さき)も紫苑の言っておったように婀陀那―――と、そうお呼び下されませ、姫君。
ア:そ―――それでは・・・
タ:主上、そういうことにしておきましょう―――
ア:タケルさん??(すると・・・この方は気付いていらしたの?)
タ:しかし―――不思議なものですな、ここはヴェルノアを離れて早、数里・・・
―――で、あるにもかかわらず、何の抵抗もありませんとは・・・
婀:フフ・・・それはそうじゃろう―――ここはこのほど我がヴェルノアの版図に加わった処、
故に地理上では、ここはまだヴェルノア―――だということなのじゃよ。
〔実を言うとその“将”―――婀陀那は、アヱカのことを無視をするつもりはありませんでした。
けれども、立場上そうせざるを得なかったことに次第に苛立ちを覚え―――
そこで仕方なく軍を割き、紫苑擁する15,000をガク州に先行、
そのまた一部の100を、近々自分たちが到来するであろう事を知らせておくために、ウェオブリ城付近にて野営・・・
そして自身が擁する4,900を後詰とする―――と、いう手筈を整えさせたのです。
でも―――その、 婀陀那某 という事に訝しみを抱き始めていたアヱカは、
そのことを深く訊いてみようとしたのですが、図らずもタケルの言に遮られるという象(かたち)を取られ、
ならばどうして―――・・・と、いうこともあったようですが・・・
ここでタケルが話題の転換を―――
そう、ヴェルノア入りをした際にも少なからず感じていたこと、
数多の小国家群が乱立していたこの地が・・・“中華の国”とはいえ、
余所者であるアヱカたちが入り込んでいるのにもかかわらず無反応―――だった・・・
その疑問がここで払われたのです、そう―――ここはまだ『ヴェルノア公国』でもあったのです。
そしてそれからも語らいは続き―――
次第にアヱカは、自身が抱いていた疑念を払拭させるとともに、
この度での、『軍隊の貸し出し』にも得心が行ったのでした。〕