≪五節;『双頭の鷲』の軍旗≫
〔その一団を指揮する者――白銀の鎧に身を固め、
はためかせる軍旗も、当時をして勇猛果敢と知られたる『双頭の鷲』を掲げたる・・・
けれども、元々この軍旗は、フ国の南西に位置しており、決してこの場では見る事のない・・・
またありえない―――と、される御旗・・・
そう、その軍旗こそ、『ヴェルノア公国軍』が掲げるものだったのです。
そして―――その指揮官の大号令により、1万5千もの大軍は、
一斉にカ・ルマ軍に雪崩れ込んだのです。〕
紫:我らは―――ヴェルノア公国軍、故あってこれよりあなたたちを援護いたします。
斯く云う私は・・・衛将軍・紫苑=ヴァーユ=コーデリアと申し上げる!
誰か、私の相手となる者はいないか―――!!
コ:ヴェルノア軍・・・・ナゼに、世界最強の軍隊が・・・ここに・・・
カ:(フ・・)恐らく―――これがあなたの言っていた“風向き”であり、
あの“噂”が現実のものとなったのでしょう。
コ:噂・・・と、なると、もしや―――
カ:いかにも―――ガク州公であり、また太傅であられるあの方が、
此度の外交を成功させ、その実がここにある―――と、云う事です。
〔この軍団の指揮をする者は、主と一緒の白銀の鎧をその身に纏い、
自らの佩剣 フランヴェルジュ“ファフニール” を携えたる
<旋風の騎士> 紫苑=ヴァーユ=コーデリア だったのです。〕