≪二節;見知らぬ顔≫
ヒ;はぁ~~―――ん、なるほどねぇ・・・オレたちの知らない間にそんなに動いてやがったとは・・・。
いやぁ~うちの州公殿も大したもんだ。
コ:確かに―――この度のご自分の苦境をものともせず、大事業をやってのけられた。
カ:(フフ・・)ならば、次回での州公会議では、是非とも議長になって頂かなくては。
ヒ:おいおい―――勘弁してやってくれよ? そういくつも兼任してたんじゃ身がもたねぇぜ・・・。
よっ―――と・・・着いたぜ。
紫:(・・・なんとも―――意外に小さな砦・・・これでよく今まで耐えてきたものね・・・。
ここの州司馬もこの虎髭将も、中々に侮れないわ・・・。)
あら―――砦の入り口に二人の女性が出てきているけど・・・・
ヒ:ぁあ?! 一人は―――うちンとこの司馬殿だけど・・・もう一人は知らねぇなぁ。
〔この帰りの道中に、ヒはガク州公であり幼君の太傅であるアヱカが、
この度のみの大鴻臚に任じられ、見事ヴェルノア公国との間に、国交を回復させた事を知ったのです。
そして―――グランデル砦に戻ってきたとき、彼らは二人の人影を確認する事となったのですが・・・
そのうちの一人は州司馬のキリエだったのですが、もう一人は・・・・
藍色の髪をした見知らぬ女性――――〕
謎:どうもぉ~~お帰りなさいませぇ―――♪(にこやか~)
ヒ:え゛っ?! は―――はぁ・・・(引き気味)
カ:(・・・誰、なんでしょう――――)
コ:(この――――・・・)
紫:(メイドの格好をした女性は・・・)
ヒ:あのぉ~~~それよりあんた、誰??
サ:(サヤ;ホントは死ぬほど恥ずかしいらしい・・・)
あっ―――私はですねぇ~? キリエさんのお知り会いでぇ~~サヤという者なのですぅ~♡
ヒ:はあ゛?! いや・・・確か―――司馬殿の知り合いといやぁ、銀の髪をした~~――――
――~ちょっぷ~――
ヒ:うぺ―――?!
サ:あらん~~いやだぁ~ン、この方の襟元にきしょい蟲がぁ~~!(くねくね~)
カ:(・・・今のは―――何というか・・・いい角度で入りましたなぁ。)
コ:(むう―――いい筋をしている・・・)
紫:(・・・まあ、なんとも、容赦なしというか―――)
サ:あら―――あららら・・・ どぉ~~しましよう!
白目剥いてるぢゃないですかこの人・・・
お~~―――い、お・き・て♡ 陽はまだあんなに高いんですよ~~。
キ:(・・・・ばぁ~か――――)
〔そこで戻ってきた一同が引いてしまうのには、血生臭い殺伐とした前線基地である砦に、
あまり似つかわしくはない、メイドの格好をした女性がいたから・・・。
(しかも・・・にこやか~な笑顔でお出迎えとは・・・)
それに、この不思議な感じのする女性は、なんとキリエの知り合いで“サヤ”だと名乗るのですが、
そこをヒは奇妙に思ったのです。
なぜならば、自分の知っているキリエの知り合いといえば―――・・・
すると、まさにその事を言いかけたところに、急にサヤ某がヒの首元めがけて手刀を打ち付け―――
さしものの一騎当千の虎髭将も、悶絶としてしまったのです。〕