≪三節;もつれ話≫
〔けれど―――その一方で・・・〕
ド:(ドリス;女;ヤノーピルと同じく“シュヴァルツ”の一員。
しかし・・・実は彼女は―――)
団長、いいんですか?! あいつをあんなに簡単に除名して・・・
団:ふん―――仕方がないだろう。
あんなにもやる気がなくて、ちゃらちゃらしたヤツはうちの隊にはいらん―――!
ド:ケド―――・・・
団:くどいぞドリス! お前たち二人が付き合っているのは、皆知っている事だが、
そんな事は大王様の崇高な指名の前では些事に過ぎん!!
〔仲間内でも女性の団員が、たった今団長が示した方針について、簡単に過ぎるのではないか―――
と、意見をしたところ、この暗殺団を束ねる者の口からは、
隊規を乱すような者は隊に入らない―――と、厳しい言葉が・・・
すると今度は、除名された者のところへと行き、考え直すよう説得をしてみるのですが・・・〕
ヤ:ああん―――? なんだと? このオレが団長のおやっさんに頭を下げる??
ド:そうだよ―――今からでも遅くはないから・・・
ヤ:はっ―――!冗談だろ・・・何でオレが・・・
ド:・・・やっぱあんた、あの時あたしが言った事を怒ってんだ・・・
その事は謝るからさ―――もう一度思い直しておくれよ・・・!
ヤ:・・・・もうおせぇよ――― 一度拗(こじ)れちまったもんはな・・・
じゃあな―――・・・
(あれ? そういやぁ―――そんなこともあったっけかなぁ・・・
だがよ―――もう決めちまったモンは変えられねぇんだ!)
〔意外にも頑な彼の意思を崩すことは、やはり容易ではありませんでした。
でも、何とかして思いとどまってもらうために、ドリスの口からは以前にあったと思われる、
ほんの些細な感情のもつれから発生した、なんら他愛もない言い合いでの一言を謝る意思表示を見せたのです。
そのことに、それが原因で二人の仲が冷え切っており、ここ最近では口も利いていなかったことを思い出すヤノーピル。
しかし・・・今、彼の胸のうちに秘めている事は、一度決めてしまった事でもあるので、
そう簡単にはあきらめきれるものではありませんでした。
けれど、そのことを―――捨てられたモノと思い込み・・・また、どこかで違う女が出来たものだと思い込んでしまったドリスは・・・〕
ド:(な―――なによ!ちくしょう・・・あ、あたしがこんなにも謝っているって言うのに・・・
お、覚えていなさいよ―――あんた共々、その女のことを許しやしないんだから!!)