≪二節;『マーヴェラス』見物≫
〔こうして―――幼い者が、倦怠感を表した事で、彼を養育する者の手により王城の外に出された・・・
その一方で―――ジン州より、新たにフ国に参入するべく、他の列強より来た五名の男女は・・・〕
リ:すっごいわねぇ〜―――さすがガルヴァディア一の壮大さを誇るだけのことはあるわぁ〜・・・。
セ:そうよね―――伊達に“マーヴェラス”とは名乗っていないわ・・・。
イ:こらこら―――あなたたち・・・ここには観光で訪れたのではないのよ?
リ:そ・・・それは判っているけどさぁ〜――――
そう滅多と来れるわけじゃないんだからさぁ〜いいじゃない!
イ:何を云っているの―――もう私たちは、ハイネスの者ではない・・・
もしかすると毎日ここにいるかもしれないのよ。
セ:あ―――・・・そうか、私たちはもうフ国の人間なのよねぇ。
リ:それより―――・・・上の方と話があるからといって、途中から別れたジン州公様はもとより・・・
ミルディン・ギルダスさんの二人は?
イ:・・・そういえば、見かけませんわね―――
セ:ああ―――あの二人でしたら、もうすでに挨拶回りに行くと云っていましたよ?
イ:(あらら・・)そ―――それをどうして早く云ってくれないの?セシル・・・
仕方ありませんね―――ならば私たちも各自由行動に移すといたしましょう。
〔そこは―――やはり噂に名高き、“荘厳豪華”なる城でした。
そのことに、本来の目的を忘れ、目を奪われている“月”と“花”―――そして、それを窘(たしな)める“雪”・・・
そう、今回の目的とは、亡命をしてきた自分たちの顔を、この国の将官たちに覚えてもらうため―――と、
出来るならば、あの噂のガク州公の顔を拝見してみたい・・・と、言うことだったのです。
ですが―――気がついてみれば、ミルディンにギルダスは、自分たちより先んじて挨拶回りに出ており、
ジン州公であるカは、当の前に引率を離れ、上役の方々に挨拶をしに行ってしまったあとだったのです。
でも、それならば―――ということで、こちらも散会をし、各自由行動に出たのです。〕