≪七節;自分よりも“システム”に詳しい女性≫
〔確かに―――幼な児の方は、最初は驚きはしているものの、物珍しさからか次第に歓喜の表情へと移り変わり、
けれど、もう一人の女性は・・・と、言うと―――〕
ホ:(わぁ〜〜・・・すごいや―――)(キラキラ〜☆)
ア:(ちら・・)・・・・これは―――そこではないようだね。
おそらく次の区画―――Γ−7あたりだろう。(サ・サ・・)
ゼ:・・・はい―――?
イ:え・・・?
ア:うん・・・おそらくここ―――(ス・・)
ポン―――――
キュゥィィイイイン――― ウィィ〜〜グ
カチャ カチャ カチャ カチャ カチャ カチャ
イ:(え゛・・・えええ〜〜〜〜っ?!!
な―――なんなの?これ?? 樹の幹が割れて・・・その中からこの人の腕にしているような装置に似たものが・・・!!)
ゼ:(こ―――この人・・・どうしてここが?
いや、しかし・・・普通の観光客なら、ここのセクションのことなど知らないはず―――)
ア:・・・ああ―――やはりパーツの一つが焼き切れているね・・・
すまない、ゼシカ―――ダグコードのA3を出して・・・
ゼ:――――・・・・。
ア:・・・ゼシカ―――
ゼ:あっ・・・あ、はい。
すみません―――(ごそ・・)
こちらですね―――
ア:うん―――・・・ちょっとここへ来てここを抑えておいて・・・
ゼ:はい―――・・・
ア:(カチカチ〜☆)・・・これで―――よし。
これで、しばらくは正常に稼動するはずだろう。
それにしても、すまない事をしたね。
ゼ:は・・・はあ? なんのことでしょう―――
ア:いやね、ここの全メンテナンスを君に一任したはずだったんだけど・・・
今回の異常のことは私のほうが発見し、それを直してしまって―――
ゼ:いえ・・・とんでもありません―――こちらこそ・・・あなた様の手を煩わせてしまって・・・。
ア:そこはいいっこなしだよ―――お陰でまた新たな出会いに巡り合えたからね。
ゼ:・・・では、私はこれで―――
〔ゼシカは・・・わけが判りませんでした―――
ここの主である、伝説上の方から依頼された事が、自分の名前を知る見知らぬ女性の口から語られ・・・
また、自分以上に豊富な知識をして、異常のある箇所を指摘してそこを直してしまった・・・
そう―――まるで、ここにあるモノに精通しているかの如く・・・
それは、イセリアも同様でした―――
普通の立木かと思われた樹の幹から、突如として現れた、なんとも高度な機器装置類・・・
しかもその女性は、修理に必要となるパーツ類を指定し、異常個所を素早い手並みで直してしまったのです。〕