≪五節;さらなる戦略≫
シ:まあ〜〜―――それはよしとしてぇ・・・
今後の展開になるんだけど、あそこばっかり攻め立てても中々陥とせない―――ってのは、
ちょいとまづいんぢゃなかろうかねぇ〜♪
ビ:フフフ―――これはこれは・・・盟主様もお人のお悪い。
左将軍様のおられるところに、ゴミ共をわざと向かわせ、
あの方の武勲を挙げるために、そうしていたのではなかったのですかな・・・。
シ:フフ〜ン♪ そぉ〜のお陰で、7人いたうちの一人を片付けられたのは、儲けモンだったよ。
ビ:―――そうはおっしゃられますが、このたびご無念にもお討ち死になされた者は、
あの7人のうちでも低いレベルではありませんでしたかな。
シ:・・・お前も、その“慇懃無礼”なところを直さないと―――他人にゃ好かれなくなるよ。
ビ:とはいいましても・・・これが元々のビューネイの性格ではございませんでしたでしょうか。
〔そして―――これからの戦略の立て直しを図るべくの合議がなされたようですが、
前年を通して推し進められていたガク州攻略がものの見事に失敗に終わり、
往時をして畏れられていたカ・ルマの軍隊も、存外に大したことはない―――と、周囲も次第にそう思わざるを得なくなってきた・・・
けれども、実はそれはビューネイとシホが企てていた事・・・
ロクに実のある戦術を立てるでもなく、ただ単に力押しのみでなそうとしていた・・・
その場所には、古えの猛将―――『帝国の双璧』の=槍=・・・その猛将の属将であり、
かの存在から鍛え上げられてきた<左将軍>なる存在がいるのにも係わらず・・・
しかも、前の戦闘では七魔将のうちの一人が討ち取られてしまった―――
本来ならば身内に起こった不幸のはずなのに、この二人はむしろそのことを喜ぶかのように薄笑いを浮かべていたのです。〕
シ:ま―――話を戻すとしてぇ〜〜
東はあの三人に任すとして・・・問題は南―――だねぇ・・・
ビ:ラー・ジャ・・・ですか。
しかし、クー・ナを早目に陥落させておいたのは良計でした。
シ:アドバンテージはこちら・・・何しろ『食』と旨い酒処を抑えているからねぇ〜♪
ビ:・・・盟主様、『旨酒』は余計でございます。
シ:ちぇっ―――いいぢゃないよ、別に・・・アレが唯一の愉しみなんだからさぁ〜。
ビ:“深酒”は余り宜しくない―――と、デルフィーネ様が・・・
シ:あ゛あ゛〜〜判った判った! 今度から控え目にしとくから―――(たくぅ・・・)
ビ:(フフッ・・)それで宜しいのです―――
シ:(あ゛〜〜・・・)しかし―――なんだか、ちぃともお話が進んでいかないねぇ〜・・・
ビ:(プ・クク・・)まあ―――それはこの作品の筆者の悪癖・・・と、でも申しましょうか。
シ:それはそれとしてぇ〜〜―――
あ、ど・れ・に・し・よ・う・か・な〜〜―――
と・・・
それぢゃ、こいつにしようかね〜。
〔ガク州攻略は失敗に終わった・・・けれども、年の暮れる前に列強の一つを落とせたのは不幸中の幸いだったとしていたのです。
しかもその列強は、他の六カ国にも食糧を輸出していたほどの『穀物大国』。
そこをこの度カ・ルマの版図の一部に加えたという事は、これからの他の国々の枯渇にも係わることでもあったのです。
それに加えて、カ・ルマは“南征”を目論んでいたのでした。〕