≪二節;裏目に出た親切≫
〔そして―――自分の義体に戻ったキリエは・・・〕
キ:・・・あっ、ベイガン―――
ヒ:おう、気が付いたかい。
キ:ええ・・・ありがとう―――
いつも悪いわね、手間をかけさせちゃって。
ヒ:へへっ―――まあ、お互い様だしな・・・。
―――で、どうだったい。
キ:うん―――ばっちりお灸を据えてきてやッたわ。
(・・・あら?)
〔そこにあったのは、もう何もかも分かり合えた者達の姿が。
そう、例え自分たちの見える範囲内で醜態を晒していたとて、
その人の実体は、遥か遠くで悪を誅せしめる存在・・・
だからこそ、今は、実情を知り得ている自分がフォローしてやらなくては・・・
そう―――思っていたのですが・・・〕
キ:・・・ねぇ、ちょっと、ベイガン―――聞きたいことがあるんだけど、いい?
ヒ:おっ―――なんだい、遠慮するなよ。
キ:・・・・・・私、衣服を着替えてるわよねえ?
ヒ:あ・・・・あぁ〜〜―――そのことかい。
いや、なにな? キリエさん・・・って、チカラを開放したらびしょ濡れになっちまうだろ?
キ:あっ・・・そう―――
・・・で? 誰が〜〜・・・着替えさせてくれたの?(プルプル〜)
ヒ:えっ?? そりゃ〜〜―――あれよ、オレしかいねえじゃねえかよ。(照)
キ:・・・と、云う事は、見たわね?私の〜〜―――(ワナワナ〜)
ヒ:あ、いやぁ〜〜―――キリエさんって、結構いい躰してん・・・・
ばちこ〜ン☆
ヒ:いってぇ〜〜―――! あニしやがんでぇ?!!
キ:いやんっ―――!もう・・・フケツ!!
ヒ:フケツ・・・って、そりゃ〜ないんぢゃないの゛?!!
第一、 着替えさせるとき、目を瞑ってちゃ・・・
キ:だったらほっといて頂戴よねえ!! これでも・・・まだ・・・・嫁入り前―――
ヒ:あぁ〜〜―――そうかい、そうかい、悪かったよ、よけ〜なことしちまって!!#
キ:――――ッッたり前でしょう!
それに・・・さ、觸ってなんか・・・いないでしょうね。
ヒ:あ゛あ゛?! 何でオレがそんなことしなくちゃならないんでぇ・・・見損なうない!
キ:あっ・・・そ、そう―――・・・(←ちょっと残念そう?)
でもねえっ! 女の・・・裸 を見るなんて・・・フケツよ、フケツ!!
ヒ:あ゛あ゛〜〜そうかい!そうかい! 悪かったよ―――ンじゃ、邪魔したな!!#
〔キリエが、ふと自分の着ているものに目をやったところ、ラー・ジャに飛んでいったときとは違っている・・・
そのことにあることを聞いてみたところ、やはりそういう返答(こた)えが―――
つまり、ヒはキリエの事情を知り得ているがゆえに、知らぬ顔を決め込む事ができないでおり、
失礼に当たるとは思いながらも、キリエの着替えを率先してやった・・・と、いうのですが。
そこがどうやらいけなかったらしく、心のすべてを許しているわけではない、
異種の異性に、ありのままの自分を見られたことに―――
だから、ついぞ出てしまった手―――その後のお決まりのパターンのような云い合いに・・・
それは、この天幕の外で作業をしていた兵士たちの耳にも入ったわけで、
仲が良いのか悪いのか―――今や、この二人の仲こそが彼らの最大の関心事・・・
“知らぬは当人たちばかりになりにけり”―――だったようでございます。〕