≪五節;一目惚れ≫
ヤ:おう―――
ゼ:えっ? あっっ―――・・・
ア:紹介しよう―――こちらはレイヴンのヤノーピルさんという方で、君のお手伝いを・・・
―――どうしたんだい、ゼシカ・・・
ゼ:その人・・・翼―――
ア:そうだけど、それがどうかしたのかい・・・
ヤ:ちょいちょいちょい・・・ちょっと待ってよ―――
あんたがオレに“頼まれごと”って云うからついてきたけど・・・オレはパスだぜ。
ア:どうしてなんだい―――ヤノーピル
ヤ:だってよう―――オレ、こんなの判かんねぇぜ?
ア:・・・誰も、君にはメンテナンスを頼む―――とは、一言も云ってはいないよ。
ヤ:・・・あ、そう云われてみれば・・・そうだなぁ。
それより―――あんた、さっきからオレを見つめて・・・
ゼ:ン・・・きゃああ〜〜!♡ ひょっとしてきゅーぴっと様ァ?!(それにイイ男♡)
あの―――私、ゼシカ=ノーム=ヴェスティアリといいます、よろしくお願いします!!
ヤ:え・・・あ、ああ―――はい。
ア:(・・・あれ?ひょっとして私スルー?
まあいいか・・・無駄な説明はしなくてもよさそうだ。)
〔しかし、そこにあったのは少し奇妙な光景でした。
アヱカは、人間であるゼシカにはシャクラディアの頂上部にあるシステムの事は、
少しばかり難しいと考え、そこをついこのほど知り合った有翼人種・レイヴンのヤノーピル某に補わせようとしていたのです。
しかし、アヱカはヤノーピルを技術面でのサポートではなく、体力面でのそのことを考えており、
以前からシャクラディアで作業をしていたゼシカに引き合わせたのです。
すると―――ゼシカは、レイヴンであるヤノーピルを見るや否や、
まるで自分の運命の“愛の使者”だと勘違いを起こし、喜色歓声を上げるのです。
そう・・・ゼシカは、母の残していた旧い書物を読み耽っていた事もあり、
その書物に書かれてあった、そういう記述を信じていたのです。
そのことに、虚を衝かれてしまったヤノーピルとアヱカ―――・・・
ヤノーピルは、自分を一目見たときから不思議な眼差しをしている、この女性のことを一瞬怪しみましたが・・・
その眼差しが、あたら=恋愛感情=であった事に、戸惑いを感じたのです。
一方のアヱカは、ゼシカに対し、ヤノーピルが彼女たち人間と異なる種族である事を、
ひとまづその事に関しての誤解を解くべく―――の、説明を用意していたのに・・・
ゼシカの一足飛びの反応に、
反面は云い様のない脱力感に―――もう反面は、そんな無駄な事をせずにすんだ安心感に、一喜一憂していたのです。〕