≪六節;王都の繁栄≫
〔それからというものは―――・・・片方の短所を片方の長所で補う・・・
そこには、人と―――人ではない者・・・“生き物”の壁を越えた<交流の縮図>というものがありました。
“生きとし生ける者”の・・・その枠組みを超えた交流―――
それこそは、その人自身が遠い過去に描いたことのある青写真―――・・・
でも・・・一方の“生物”からは拒絶された事のある それ ―――・・・
それが今―――拒絶をした生物の方から、積極的に歩み寄ってきている事に、
その人自身が望んでいた未来が、そう遠くはない・・・と、そう予感をするのでした。
―――ですが・・・この上空で、ある“嫉妬”にも似たような感情を持ち・・・
殺意の眼差しを投げかけていた者がいたことは、
そこにいた誰もが、知る由すらなかったのです。
それはそれとして――― 一応の、居住の設備の準備段階を終わらせた一行は、
王都・ウェオブリに戻ってきたようです。〕
ゼ:へぇ〜〜―――やはり、王都・・・ってすごいところなんですね〜〜。
ホ:お姉ちゃん・・・王都へきたことがないの?
ゼ:うん・・・だって私―――フ国の人間じゃないから・・・
ホ:ふぅ〜ん・・・それじゃあどこの人?
ゼ:サ・ライの国―――・・・って、解かるかな。
ホ:サ・ライ・・・って、お坊さんの国だよね?
ア:―――ちょっとそれは違うね。
あそこの国は<マハトマ>という教えを広めている処なんだ。
私も・・・時間が許せるなら、行ってみたい処の一つではあるね・・・
そして―――また・・・“彼女”に挨拶をしておきたい・・・
私は―――戻ってきたよ・・・
と―――・・・。
ヤ:うん? 誰なんだい、その―――“彼女”・・・って。
ア:ああ、私の古くからの知り合いでね―――名を・・・≪ミトラ≫と云う・・・
ゼ:えぇっ―――? その≪ミトラ≫・・・って、<マハトマ>のシンボルといわれている女神像と、あなた様が・・・お知り合い?!
〔ゼシカは、故郷がサ・ライ国の一地方だったので、フ国にはよほどの事がない限り来る事がありませんでした。
だから王都・ウェオブリの街並みの作りこみに驚きもしたのですが・・・
まだそれよりも驚かされた事―――
それは・・・“現在”という時を生きるアヱカが、≪ミトラ≫という存在を知っており、
“遠い過去”に知り合いだと述べたこと・・・
しかし、その≪ミトラ≫という存在そのもの自体は、
気の遠くなるような過去に<マハトマ>なる教えを確立し、すでに偶像化された存在―――・・・
その“彼女”を知る・・・と、云う事は――――・・・・〕