≪七節;恨み骨髄≫
〔その疑問を、ゼシカがアヱカに問いかけようとした―――その時。
突如、上空から襲い来るような風切り音が―――!!〕
――〜 キ ィ ィ ン 〜――
ア:(はっ!!)危ないっ―――!!
ホ:わあぁ・・・ッ!
ゼ:きゃあっ―――?!
ヤ:な・・・なんだ――― 一体・・・
〔繁雑したこの街中で、アヱカたちを狙い済ましたかのように、上空から襲い来た一つの影・・・
それこそは―――・・・〕
ド:――――・・・。
ヤ:なっ・・・お、お前はドリス!! な・・・なんでこんなところに―――・・・
ド:(ギリィ〜☆)・・・そいつはこっちの台詞だよ―――! やっぱりこういうことだったんだね・・・ヤノーピル!!
ゼ:誰・・・あの人―――・・・
ド:フン・・・アタイのことかい―――この泥棒猫。
ゼ:(カチン〜☆)な―――何ですってぇ!?
ド:フフン―――アタイはねぇ・・・ヤノーピルの愛する者、ドリス・・・ってのさ。
ゼ:な―――っ・・・!?(ワナワナ〜)
ちょっと―――ヤノーピルさん?!!
ヤ:ン〜〜―――な、いいモンじゃあねぇよ。
それに・・・オレたちゃ、もう終わったんじゃなかったっけか―――なぁ・・・ドリス。
ド:・・・気に食わない―――どうにも気に食わないよぉ・・・・
道理で、簡単に別れ話を切り出してきたわけだ―――
あんた・・・人間の女に現を抜かしてやがったなんてねえ―――!!
ヤ:(ちぃ・・・なんだかややこしくなってきちまいやがったな―――)
〔それこそは―――ヤノーピルも以前好意を抱いていた相手・・・同じ種族であるレイヴンのドリスという女性なのでした。
そのことにゼシカは、信じられないという表情になったのですが、その後の余りにも不適切な言動に、怒りが充満してしまったようです。
そして、そのことの説明をヤノーピルに求めたとき、ヤノーピルはドリスとの交際は一応終わった―――と、云ったのですが、
ドリスの表情を見る限りでは、彼女自身は納得しきっていない様子・・・
しかも、その場には子供であるホウ王子もいるのです。
そんな―――あたら教育上よくないものを見せていることに、幼い王子様の養育者であるアヱカは・・・〕
ア:ちょっと待って―――周囲(まわ)りの人たちがこちらを見始めている・・・
ここは一つ、誰もいない広い場所で話し合ってはどうだろう―――
ド:広い場所―――?
ア:そう―――・・・・
ヒィィ〜〜ン・・・
≫シャクラディア―――私たちを、誰もいない・・・広域な場所まで、ジャンプさせておくれ・・・≪
〔その方は―――男女の破局的関係が、時には大惨事にも成りえることを、よく理解しえていました。
それに・・・そんな状況になってしまったら、“話し合い”で決着する事も難しい―――でも、血を見るよりかは・・・と、そう思い、
あえて群衆の中ではなく、少し人目の付かないところで、今回までゼシカがなしてくれた仕事の成果を、
試すべくある場所に一瞬にして移動したのです。
しかし―――・・・〕