≪五節;巡り逢う主従≫
〔それよりも―――・・・こちらでは〕
シ:あの―――ビューネイ様・・・少しご相談が・・・
ビ:(!!!)
―――どうしたのだ・・・
シ:あの・・・ここでは少々話し難(にく)うございます事で・・・
ビ:そうか、ではこちらへ来たまえ―――
〔それは、“主と従者”“師とその高弟”の再会―――・・・
この当時すでに『禽』の仲間入りを果たし、自らカ・ルマ行きを名乗り出た、
=鴉=ことシホ=アーキ=ガラティーナは、カ・ルマ七魔将筆頭としても名高い、ビューネイに近寄っていたのです。
けれども・・・このビューネイという者も、その当初から、自分に近づいてきた者が 自分の真の主 であることを、
すでに認識し終えていたのです。〕
ビ:お久しぶりにございます・・・盟主・ガラティア様―――
ガ:フ・・・お前、中々その姿が似合っているようじゃないか。
まあそれはいいとして―――私としても、もう少し静観しときたかったけど・・・
どうやらここで不穏な事をしでかそうとしているヤツがいるようだねぇ。
ビ:ふむ・・・それはもしかすると、ボクオーンとかいう下衆めのことでは・・・
ガ:―――で?そいつはなにをしでかそうと・・・?
ビ:・・・おそらくは、盟主様のほうでもある程度の事は―――
ガ:憶測で物事を図るな・・・いつも私が言い聞かせている事だねぇ。
ビ:(ビクッ!)は・・・はい―――も、申し訳ございません・・・
ガ:ヤツがネクロマンサーである以上、やるべきことなど判っている・・・。
だか、それは爆死したあの二人―――に関しては・・・だ。
ただ―――ヤツが拾ってきたという、いわゆる身元不明の数体・・・
そのことがどうにも気にかかってねぇ―――
(フッ・・)まづかったのかねえ―――地域を隔離してしまったのは・・・
ビ:ですが―――それもこれも、 ポール・シフト で得られた結果・・・ですので。
ガ:ある程度博才(ばくさい)がなけりゃダメだ〜〜―――って云いたいんだろ?
ンなこと云われても・・・私ゃ昔っからそういうモンに縁遠かったからねぇぇ〜〜―――
ビ:心中、お察し申し上げます・・・・
〔そこでなされた、師とその高弟の会話の内容は、まさにこのお話しにある常識を覆さんものばかり・・・
それよりも、大いなる疑問として―――どうしてこのお話が、『ガルバディア大陸』という、
いわゆる“限定”された空間内で推し進められているかという事・・・
――地域(各大陸)毎の隔離――
――ポール・シフト――
――少ないクジ運――
この―――・・・一見して繋がりの見えない用語の数々は、これより後の、ナニを暗示していたのでしょうか・・・〕