<第六十四章;赦されざる行為>
≪一節;走音の主≫
〔お話しの時を―――過去より現在に戻したある日の出来事・・・
陽も落ち、皆が寝静まろうとしていた時刻に、夜の静寂を破るかのような走音―――・・・
それを聞くに及び、読者諸兄方々は『禽』たちのことを連想したものでしょう。
けれども、今回の走音の主たちは、彼女たちではなかったのです。
では――― 一体何者が・・・?
それは―――・・・〕
バ:(バーディ;顔にマスクを被る“走音の主”その一、その身のこなしは『禽』たち同様・・・)
―――・・・。
サ:(サグレーラス;顔にマスクを被る“走音の主”その二、その身のこなしは『禽』たち同様・・・)
―――・・・。
ラ:(ラーク;顔にマスクを被る“走音の主”その三、その身のこなしは『禽』たち同様・・・)
―――・・・。
〔それは―――・・・顔に仮面を被った三つの存在。
しかもこの者たちが持つ特徴は、何とも驚くべきことに『禽』たちのそれと、恐ろしく似通っていたのです。
それに・・・この者達が持つ、もう一つの特徴が―――
その眸には、“生”の気が宿っていない・・・
もう少し判りやすく云うとしたなら、それは“屍人”の光―――・・・
そう、この者達は“不死者”<アンデッド>だったのです。
けれども―――例えそうであっても、王都・ウェオブリに常駐している『禽』たちの索敵網にかかり、
すぐさま追撃が行われたのですが―――・・・〕
バ:―――!!
サ:―――!!
ラ:―――!!
――散――