≪二節;その顔に見覚えありき≫
ラ:―――・・・。
マ:やいやいやいっ―――! こんな時刻に、なんだってそんなにこそこそしてんのさ!
皆の目はごまかせても、このあたしの目はごまかせやしないんだってばよッ〜☆
ラ:・・・ふふふっ―――よく喋る小鳥さんだこと、あえて名乗る義理などありはしないが・・・
冥途への土産代わりくらいにはなるだろう―――・・・
あたしの名は―――“ラーク”・・・よく覚えときな、嬢ちゃん。(ス・・・チャ☆)
マ:・・・へっ?!
(ラーク・・・って、=雲雀=? それに・・・あの得物は―――!?)
サ:――――・・・。
レ:いくら逃げたところで無駄なこと・・・ぐらいは判ったようね。
ここはすでに結界の中―――そこであなたがどんなに足掻こうとも・・・
サ:・・・ふふふっ―――いづれ蜘蛛の巣のように絡まり続ける・・・
だが―――こんな子供騙し・・・この私に通用するとでも思っていたのか?
この―――“サグレーラス”である、私に・・・
レ:―――え?
(サグレーラス・・・=蜂鳥=? はっ!そういえばこの声―――!!)
シ:そ―――・・・そんな・・・あ、あなたは―――=駒鳥=であるノゾミ様!!?
それが・・・どうして“バーディー”などと・・・
それに、あなたはあの“魔の山脈”にて命を落とされた―――
バ:はず・・・か―――だが、私はこうして動いている・・・
ラ:あたしは・・・憎い―――お前たちが・・・
サ:お前たちを活かすため、この身を投げ打った・・・
バ:あそこは―――冷たかった・・・
次第に薄れ逝く意識・・・
サ:朦朧となる意識の中、
私たちのとった行動は間違いだと気が付いた・・・
ラ:お前たちも・・・一度感じてみるがいい―――
“死”の瞬間を―――
〔この存在たちを追った『禽』は、すぐさま追いつめたのですが、
その存在たちの正体が判ると、息を呑みまた目を疑ってしまったのです。
なぜならば―――その存在たちこそは、かつての自分たちの同士であり、諸先輩方々・・・
つまりは、彼女たちと故郷を同じくする者達でもあったのです。
けれども、“生気のない眸”・・・言葉のうちに秘められたる“死の可能性”―――
あの・・・“魔の山脈”と呼ばれた地域にて、自分たちに未来を託し、そして逝った存在―――
その・・・すでに亡くなったと思われていた彼女たちが、今、こうして動いているという・・・事実―――
一体どこから理解すればいい―――?
今・・・自分たちの目の前にいるのは、ヴァーナムの魔性に捕らわれ、
“挨”(あい)(一の百億分の一)の生の可能性すら途絶えたと思われていたのに・・・
しかもそれは、当時未熟だった自分たちにでも未来を託した、
諸先輩たちの眸にも現れていたことでもあり―――・・・
けれども、今ここにいる者達は、『それは間違いだった―――』と、後悔する者達でもあったわけなのです。〕