≪五節;動く“屍体”≫

 

 

〔それはそうと―――“内容物”たる魂のない、“器”・・・肉体にそれは充たされ、

祝福されぬべき時は来たれり―――なのですが・・・〕

 

           

 

 

シ:・・・どうやら動けるようだね―――

  どうだい、気分のほうは。

 

〜 ゆらぁ 〜

 

ドス―――☆                                                

ザシュ―――☆

ズブ―――☆              

 

シ:――――・・・・。

 

 

駒:(駒鳥;“ヴァーナム山脈”にて掘り起こされた女の屍体1)・・・手ごたえはあった―――

蜂:(蜂鳥;“ヴァーナム山脈”にて掘り起こされた女の屍体2)・・・それにしてもここはどこ―――

  見たこともないような悪趣味なところだけど・・・

雲:(雲雀;“ヴァーナム山脈”にて掘り起こされた女の屍体3)・・・いや―――それより、確かあたしたちは死んだ・・・

 

―――はず・・・かい。

 

駒:―――ナニッ?!

蜂:バカな―――・・・

雲:あたしたちの三位一体の攻撃で絶命せぬ存在など・・・

 

 

〔“器”に起動できうるべくの内容物が充たされると、その三様は目を見開きその場にいるシホめがけて襲い掛かったのです。

 

方や―――無事起動を確認したシホは、一息安堵吐くも束の間・・・

 

この三様は、すばやい動きと共に、正確無比に人体の急所を刺し貫いたのです。

 

そして―――自分たちがありえない状態になっている事を、整理をつかせようとしたところ・・・

たった今、命を奪ったはずの 人間 が―――・・・

 

いえ、そこにいたのは、実は 人間 ではなく・・・〕

 

 

シ:ヤ〜〜―――レヤレ・・・九分九厘はこうなる事が判っていたとは云え、いざやられるとなるとねぇ〜〜

  まあ、こりゃ仕方がないといったところか?

 

駒:―――くっ!!(ス・・チャ☆)

 

シ:おやおや―――物騒なもんだね。

  いいんだよ―――無理して身構えなくっても。

 

  お宅らの実力なら、わかるはずだろう―――

 

蜂:―――何のことを云っている!!

雲:そうだ―――! 身体にいくつもの刃を突き立てさせてほざいてられる場合か!!

 

シ:・・・オヤオヤ―――元気な事だコト。

  でもねぇ―――私は違うんだよ・・・

 

駒:ナニが違うというのだ―――!

蜂:“見れる”し―――“触れる”し―――、なにより“意思の疎通”が出来ている!

雲:それに、傷口より生々しく血が出ているならば殺傷できぬはずはない!覚悟!!

 

 

〔彼女たちが突き立たせた刃の傷口も痛々しく・・・けれども、未だ立って、動き、喋っているのはどうして??!

確実に絶息の急所を捉え、それを確認したはずなのに・・・

 

しかし―――その存在は嘯いていたのです。

現在(いま)という時を紡ぎ、謳歌している存在とは違う―――と・・・

 

それでも、彼女たちは再び、その存在に襲い掛からんとしていたのです―――・・・〕

 

――が――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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