≪七節;断罪の太刀筋≫
〔そのことを、これはきっと性質(たち)の悪い冗談の類だ―――としていた者達の前に・・・〕
ボ:むん―――?! な・・・ナゼこやつらが動いておる―――それにお前は?
え、えぇ〜〜い!シホは何をしておる―――狼藉者ぞ〜!!
ガ:ンフ―――ンフフフ・・・・
悪いケド―――そのシホこそが私さ・・・お休み、下衆ヤロウ―――
ボ:ナ――――
〜斬〜
ニ―――・・・
〔この研究室(ラボ)の持ち主であるボクオーンが入室したとき、
自分が許可し、また起動させた覚えなどないのに、かの三様が動いていることに疑問を抱いたのです。
それと共に―――自分の助手ではない・・・緋色の髪をした不審な女性・・・
即刻、その者を排除すべく、その場にはいない助手を呼びつけるのですが―――
その不審なる女性 ガラティア こそが、自分の助手であり、
しかも自分を含めるカ・ルマの将官をも欺いていた存在だと気付く由もなく・・・
ただ―――青黒き“斬穫”の剣 =グラム= の一閃により、露と消え去りたのです。
それを見ていた三様たちは―――・・・〕
駒:し―――信じられない・・・あの、自らも不死化させたネクロマンサーを・・・
蜂:『一刀両断』―――・・・器・・・肉体が再生することなく、崩れていく・・・
雲:そんな・・・不死者は“不滅”のはず―――
ガ:あれあれ―――なんか激しく誤解してるようだけんど・・・
云っといてあげるけど、 『不死』=『不滅』 じゃないよ。
“器”である肉体が、再生できないほど激しく損傷されれば、滅んでしまうものさ。
駒:で―――でも・・・あなたは・・・
ガ:ホント―――なんでこうなっちまったもんだろうかねぇ〜〜・・・
私自身が否定していた存在になっちゃうなんてサ・・・あきれて嗤い話にでさえなりゃしない―――
こういうのを、“大いなる矛盾”って云うんだろうね。
〔またしても―――ありえない光景・・・
過去にて、試運転の如く仮初めの魂を吹き込まれていたときに確認していたこと・・・
それはボクオーン自身が、不慮の事故でなくならないように、自らに“不死化”の呪術を施し、そういう存在になっていた・・・
―――にも拘らず、ガラティアの振り下ろした一閃の下、脆くも滅殺されたという事実・・・
そして、次第に理解し始めたのです・・・
この“死せる賢者”が、これからこの国で成そうとしていることを―――〕